美しきエステラは、蒼き夜に舞い降り、宿命を紡ぐ。

れしおはる

星よ、舞え。

『星が……!! 燃えている……!!』


 真っ黒な宙で燃え、どんどん堕ちてくる星々。炎をまとって、街に突っ込んでくる。

 ぶつかった瞬間に衝撃音が響き渡り、耳を痛くして、更に精神こころも傷つけた。


 全て、壊れて行った。


『早く逃げて!!』


 崩落している街並み。逃げ惑う人々。が、黒い炎に飲まれて消えて行ってしまった。黒い炎の中から出てきた腕のことが、脳裏にこびりついて忘れられない。


 無慈悲に、残酷に。まるで試しているかのように。


 壊れゆくその世界をただ呆然と眺めることしか出来ず、悔しかった。涙が目からボロボロと出てくる。


 何で、この世界を救う立場であるあたしたちが逃げ切れたの? 何で、あたしたちはこんな安全地帯でのうのうと生き延びているの? 何で、罪無き心優しい民がこんな無残に殺されなきゃいけないの? 


 眼下に見えるその街並みは、もうあたしが大好きな故郷なんかではなく、ただ醜くなって行く地獄であった。


 ああ、どうか、この悲劇が、この惨状が。

  

 数万年未来で、また起こりませんように。


『星よ! 舞え! エステラ・ディオース!!!』



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