第6話 嘘と本当

※本話は美咲視点になります

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自宅から出た私は、ある場所に向かい歩いていました。兄さんの彼女である恭子さんに会うためです。浮気していたと聞かされたあと私はすぐに今日会うように連絡をしました。浮気が本当だったのだとしたら、怒らないといけないからね。こってり絞ってやらなきゃ…!


「ふふっ…どんな反応するかなぁ…まぁ、許されないことをしたわけだし、これくらいは…ね?」


そんな事を呟いているうちに目的地に着きました。兄さんと恭子さんの行き先のカフェです。中に入ると、恭子さんは既に到着しており、席に座っていました。


「お待たせしました恭子さん。いきなり呼び出してごめんなさい」


「ううん。大丈夫…それで、話って?」


「……単刀直入に聞きます。浮気の話、本当ですか?」


私は恭子さんの前の席に座りながら、そう切り出しました。恭子さんはやっぱりかと言ったような雰囲気を出しました


「……これから話す事は、彰馬くんには話してないことだから、帰ったあとにこの話題は出してほしくないの。それだけ約束してくれる?」


その言葉に私は頷く。


「ありがとう…それで、浮気なんだけどね…本当は、してないの。でも…彰馬に対する愛が薄れてきたのもあって…これ以上付き合える気がしなかったの」


恭子さんは表情を曇らせた後俯きながらも話してくれました。


「あの恭子さん…どうして兄さんに対する愛が薄れたのですか?」


「えっとね…そんな事で?って思われるけど…彰馬くん、私とデートしてる時とか、一緒に帰ってるとき、私の事意識していないような気がして…ただ恥ずかしがってるだけなのかもしれないけど、ちゃんと私のこと見てるのかな?って思い始めちゃって…それからどんどん薄れちゃって…それで、爆発しちゃって浮気したって嘘をついてまで別れようとしたってわけ…」


「そうですか…」


正直に言うと…うん。どっちもどっちって感じがしますけど…もっと他に手段は無かったの?と言いたくなりました。けど、他に思いつかないほど追い詰められていたという可能性も否定できませんでした…


「理由はどうあれ、兄さんを傷つけた事に変わりはないです。正直、内容によっては一生許すつもりはありませんでしたが…まぁ、今回の件に関しては兄さんにも非がありますので…うーん…私が直接手を出していいのかわからなくなりますね…」


「ううん。こうやって話を聞いてくれるだけでも嬉しいよ…覚悟はしてたから。」


そう言って恭子さんは微笑んでました。少しだけスッキリしたのでしょうか?そこはわかりませんが…


「とりあえず、暫くは兄さんの様子を見ることにします。もしかしたら冬夏さんが何とかするかもしれませんし…」


「佐久間さんか…うん。彼女なら何とかなる…かもしれないね。時が来たら彰馬にはちゃんと話をするよ」


「そうしてください…さて、私は他にも予定がありますのでこれで失礼しますね」


「もっとゆっくりしてもいい気がするけどね…わかった。今日は本当にありがとね。少しだけスッキリしたよ」


「いえ。でも、これ以上兄さんを傷つけたら容赦はしませんので」


「あはは…肝に銘じておくよ」


私は恭子さんをほんの一瞬睨んだあと席を立ち、店を出ました。店員さんごめんなさい。また来たときに注文はちゃんとしますので…





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『あとがき』

お久しぶりです。蟹肉ソーセージです。

約2ヶ月もの間待ってくださった方、大変お待たせいたしました。仕事が多忙になり更にスランプに陥ったり腸内環境をブッ壊したりなど色んなことが起こったので書く暇がありませんでした。にも関わらず何故か新作を思いついたりとかしちゃうもんですから困りました…

さて、次回に関してですが、多分…新作が出るかもです。出したところで投稿しないだろというツッコミは待ってません(無慈悲)。

今作の次話に関しては下記上がり次第投稿という形を取らせていただきます

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