第7話
【忙しくしたい人へ】
毎日残業して、週末も出勤してイライラを募らせているあなたへ。最初は大変そうだなと心配したけど、最近気がついた。あなたは仕事を手放したくなかったんだ。キチンと教えて作業を引き渡せばある程度は任せられる作業、それを出来る人がいないと突っぱねた。でも、できないと決めつけて切り捨てたのはあなただ。何人も思い通りにならない人を切り離した。それで忙しい、忙しいと…。自業自得ではないか。でも、時間を置いてわかったことがある。忙しい自分でいたい人は、そうさせてあげるのが親切なのだ。
忙しくする事で、あなたは組織に中で自分の立ち位置を確保したいのだろう。確かに仕事が集中しやすい役職なのだろう。それをうまく割り振って効率的に回るようにするのがあなたの仕事で、自分がプレーヤーとして処理することではない。あなたは割り振った仕事全体を管理してトラブル対応そと責任を持つことが主であるべきではないのか? それが、出来ない奴らの中で俺が頑張ってるなんて顔をされても誰も尊敬はしない。あなたは、自分が心地良くいるための位置を作ってるのではないか。
毎日遅くまでお疲れ様です、なんて言えなくなった。もしかして、あなたは家に帰りたくないのかもしれない。忙しい事で何か許されようとしているのか。真面目なのか、愚直なのか、もしくは無意識の逃げなのか。時間にルーズな日本人の典型なのかな? そういう視点で見たら、仕事を捌けない人になってるよ…
本人の望みを奪ってはいけないよ、と注意されたことがある。大変なのも、イラつくのも本人が何かを気がつくきっかけなのだから、そのチャンスを奪ってはいけないと。忙しいあなたは、現状を変えようとはしない。替えるだけの思いがないのだろう。忙しいことが、きっと何か都合がいいのだろう。だから私は思ったのだ。あなたは忙しいことを望んでいるのだと。だから、それを奪う権利は誰にもないのだ。あなたはとても大変なのだろうけど。
あなたは忙しくすることを選択した、と私は捉えている。だから私はもう関わらないようにしよう。それがあなたにとって都合がよく、言い訳が効き、心の安寧が得られるのであれば、疲弊して大変な思いをしていることこそ無意識であなたが望んだことなのだから。それが親切なのだと、そう私は自分に言い聞かせるのだ。
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