第7話えーえんとくちから(ちくま文庫)笹井宏之さんによせて

 私がここ《カクヨム》やTwitterなどのガセネタのあるSNSに参加しているのは今から、11年前に亡くなった短歌仲間かつ才能溢れる歌人仲間と出会ったからだ。


 彼は享年26歳でした。高校時代から十年以上「重い身体表現性障害」と戦い、起き上がることも難儀な日もあったといいますが、優しく穏やかな性格で、短歌作品を励まして頂いたことが私もありました。


そんな彼の素敵な作品を紹介したいと思います。


○この森で軍手を売って暮らしたいまちがえて図書館を建てたい

●午前五時すべてのマンホールのふたが吹き飛んでとなりと入れ替わる

○天井と私のあいだを一本の各駅停車が往復する夜

●水田を歩むクリアファイルから散った真冬の譜面を追って

○あめいろの空をはがれてゆく雲にかすかに匂うセロファンテープ

●夕立におかされていく悲しみのなんてきれいな郵便ポスト

他にも色々あるので、良かったら、読んでみて下さい。


今回に限り下手な自作の作品は省略します。

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