第3話

 第二試合

 藍川VS八九寺

「さあ、ベンチの本気を見せてください。全力で潰します」

 八九寺はファイティングポーズをとる。剣道部とはいったい。

「さ、最弱が最強を潰すからかっけーんだろ」

 藍川は震え声ながらも、マウンティングをとる。

「ならその言葉に嘘偽りが無いことを示して?」

 八九寺の背後から殺気が溢れてくる。剣道部最強の名に相応しい殺気。

 やっていることがじゃんけんでなければ、鬼気迫る気迫に気圧されていただろう。

「「じゃん!!」」

 手を後ろに回し、出す手を読ませないようにする。

「「けん!!」」


「「ポン!!」」


 藍川の手はグー。

 八九寺の手は、




 パー。

 一瞬。たった一瞬で勝負はついた。

「オレの勝ちだ」

 藍川は自分の手と相手の手が見えていないのか藍川は笑みを浮かべる。

 ハッタリをかますにしては雑過ぎる。

「どういうこと?」

 八九寺はこめかみに冷や汗を浮かべながら、藍川に尋ねる。

「お前は後出しをした。お前はグーを出そうとして、オレの手を見てから手を変えた。お前の反射神経なら、それくらい余裕だろ?」

 八九寺は溜息を吐くと諸手を上げる。

「その通りよ。まさか本当に最弱に負けるなんてね」

 八九寺は自分の机に戻る。




 これで、最後の勝負に出場する二人が決まった。

 決戦のカードは三枝VS藍川

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