第19話 ダンジョン攻略。

テイマーギルトに入ると直ぐにローラがパタパタと急ぎ足でやって来た。


「サルナスじゃないのヨ!!アンタの噂で持ち切りヨ!オークジェネラルの首をハネたんですってね!」


「コッチまで話が流れた来てるのか…」


「只者じゃあ無いと思ってたけど大したもんネ!!」


「まあ、運が良かっただけだ。他の皆にも助けてもらったしな」


「そう言う奥ゆかしい所も評価されてんのよ!」


そんなにペタボメされても如何したらいいか分からん…。


「ラッキーちゃんもガッツくんも強くなったわネ!!」


「ああ、凄いステータスだよ。俺も上がってるが…この二人を見てるとまだまだだと思い知らされるよ」


「何言ってんのヨ!魔獣くん達と比べるのが間違いヨ。テイマーはそういうもんなのよ!」


なるほど…テイマーはそういうもんなのか…。


「ところで何かあったの?」


おお、忘れるとこだったぜ。俺は土産を取り出してローラに渡した。


「ローラのは色々世話になってるからな。王都のお土産だ。人気の品らしいぜ」


「まあ!コレこっちじゃ手に入らないのヨ!!ありがと!また惚れ直しちゃうわ!」


「いや、そっちの趣味無いから」


「もう!釣れないわネ!まあいいわ!」


ローラは嬉しそうにしてるから買って来て良かったな。ローラはラッキーとガッツに触ったり話し掛けたりと一通りのスキンシップをする。二人共ローラを嫌がらない、むしろ歓迎している様に見える…凄いと思うよ。


ローラと別れテイマーギルトを出てから『アマルフィ』に向かった。


「いらっしゃ…あら!サルナスさん!おかえりなさい」


「やあリリス、部屋は空いてるかな?」


「前と同じ部屋をキープしてますよ〜」


「ありがとう。じゃあ宿代一週間分で」


「あら、また出掛けるのですか?」


「うん、ギルトから一週間後に仕事の依頼をされててね。お釣りは予約料で」


「ホント?いつもありがとう!」


「あとコレな」


俺は土産物をリリスに渡す。


「コレ、王都のお土産」


「えっ?私に?あ〜!!コレって人気のお菓子じゃないの!!」


「いつも世話になってるからな。コッチは宿の人の分だ」


「ありがと〜!皆も喜ぶわ。コレ食べてみたかったんだ〜。あっ、部屋の鍵です」


俺達は部屋に入って荷物を置くと、俺はラッキーとガッツの飯の準備をする。

俺はジェシーに貰った指輪を着けてみる。

…ん、あまり良く分からんな…MP減ってないからか?

取り敢えず、明日ダンジョンに潜って試すとするか。


その日の夕飯は『アマルフィ』の皆からお礼にとダークボアの香草煮込みをご馳走になった。ボアの肉が柔らかく煮込んであり、プルプルになっていて美味い。コレも酒に合うな。


そして次の日の朝、俺はダンジョンに向かった。

中層から帰って来た訳だが、ちょっと複雑な形で中層に放り出された感じなので、あの階層が何階だったのか良く分かっていない。その事もあってハイオークの部屋から下に降りて行こうと思ったのだ。最終的にはリザードメイジの居た部屋まで行ければ全部繋がる。

俺達は転移の魔法陣でハイオークの部屋へ転移した。ココは上層の30階である。そこで直ぐに魔獣武装(ビーストアームス)に装着して下の階に向かった。


35階から中層に入ったが、それまでの上層のボス部屋のフロアボスは今の俺ではスライム並の扱いだ。ドロップアイテムも肉以外は拾わなかった。

中層に入ってからも敵が柔らか過ぎる。途中は上層と同じ様に高速移動でボス部屋だけをクリアーしてゆく。


そして50階に差し掛かってやっと見たような場所に出た。俺がラッキーと出逢った場所だ…間違い無い。

ボス部屋まで一気に走ると間違い無くリザードメイジの部屋であった。

最初はあれだけ苦戦したリザードメイジ達をあっさりと倒して下に向かう。

その下のフロアボスであるオークナイトもツインダークパイソンも、今の俺達では相手にならない…瞬殺である。


ここまで一気に来たので少し休む。結局俺が飛ばされたのは50階だったのだ。そして攻略出来たのは52階まで。

次の階からが新たな攻略の階になるのだね。


俺は一度リムーブして魔獣武装(ビーストアームス)を解いた。

その先は急ぐ必要は無いからじっくりと攻略するつもりである。

ラッキーとガッツに食事をさせながら少し休んだ。


下の階はリザードソルジャーやリザードアーチャー等のリザードマンエリアである。急ぐ必要は無いのだが、速さが違うのであっという間に倒してしまう…結果的にボス部屋に早く着いてしまった。



種族:リザードナイト(フロアボス)


レベル:72

HP:1829/1829

MP:658/658

攻撃力:2058《✕1.25》

防御力:1856

回避:1095

幸運:89

スキル:ヒールLv2、騎士道


多分、中層に来たばかりの冒険者であれば、かなりの強敵になるだろうな。

俺が魔獣武装(ビーストアームス)していなければ恐らくは勝てないだろう。

何故なら回避のステータスが俺より遥かに高いからだ。攻撃力や防御力は良い勝負になるがリザードナイトの速さはケタ違いである。

これまで俺が速さで圧倒してる様にリザードナイトもその速度で敵を倒して来たのだろう。


だが、今の俺達には難なく倒せる相手である。全てのステータスが一桁違うのだから仕方が無い。

『朱刃』で一刀両断にして終了である。


リザードナイトの鎧︰討伐アイテム。防御力(+250)、鱗シリーズと併用可。


鱗の鎧と互換性があるって事か?



次の階もリザード階。

テケトーに斬りながら進むとボス部屋が見えて来た。


種族:ポイズンリザード(フロアボス)


レベル:80

HP:2056/2056

MP:965/965

攻撃力:2258

防御力:1896

回避:1233

幸運:90

スキル:毒Lv7、麻痺Lv8、強酸、噛みつき、引っかき


3mくらいは楽にあるトカゲの魔獣で毒持ちのトカゲだ。触れると毒に侵される厄介者だ。強酸で武器や防具を溶かすのも怖い。

俺はファイヤーフィスト一撃で倒す。コイツは遠距離攻撃して倒すのがセオリーの様だな。


ポイズンリザードの革︰討伐アイテム。毒や麻痺に強い防具を作る事が出来る。


こりゃあいい値が付きそうだな…。

毒や麻痺に強い素材は前衛後衛問わずにかなり喜ばれるアイテムである。



55階はオーガのテリトリーである。もしかすると前にハマったオーガの巣はこの階にあるかも知れない。

オーガを斬りながらひたすら前に進む。

ボス部屋にはオーガソルジャーが待っていた。


種族:オーガソルジャー(フロアボス)


レベル:86

HP:2984/2984

MP:15/15

攻撃力:2568

防御力:1056

回避:745

幸運:89

スキル:怒りの角、強靭、抗魔法


正直残念なステータスである。上の階から見ると攻撃力もさほど上がってないし、速度が遅すぎる。

コレも『朱刃』一閃で刀の錆になって終了である。


オーガソルジャーの刀︰討伐アイテム。攻撃力(+300)、限定の特殊効果でオーガ種に対してのみ《✕1.3》


ほう、これも面白いアイテムだな。

この先にオーガが多いからなのかもしれない。



次の階もオーガかと思ったら、まさかのワーウルフの階だった。

前にワーウルフとは戦ったが、レベルが低いにもかかわらずステータスは高かった。

この階のワーウルフはレベルが高いのでステータスもかなり高めだ。

慎重に斬りながら、ドロップアイテムを拾い歩を進める。

ボス部屋に入ると一際デカいワーウルフが居る。


種族:ワーウルフマスター(フロアボス)


レベル:72

HP:3347/3347

MP:10/10

攻撃力:3693《✕1.2》

防御力:1490

回避:1573《✕1.2》

幸運:89

スキル:威圧、咆哮Lv8、金剛の爪、疾風


ワーウルフの上位種か。

金剛の爪と疾風の付与によるステータスアップが有るのでかなりの強さだ。それにプラスして咆哮による一時的な攻撃力アップもあるから厄介極まりない。

本来なら威圧からの咆哮で一気に攻め立てるのだろうけどね。

だが、ワーウルフマスターは咆哮も威圧もかける暇はなかった。何故なら俺に一気に寄られ声を発する間もなく斬られたからである。


ワーウルフマスターの指輪:討伐アイテム。回避(+120)、疾風の付与✕1.2


コレは良い物が手に入った。

やはりワーウルフマスターは強いので、ボーナス的なドロップアイテムの扱いなんだろうなと。職業によるが、回避は中々上がらないステータスなので非常にありがたい。

コレは装着しておこうかな。


そして俺達は更に下へと降りて行くのであった。

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