第14話闇ギルド商会①


 受付のテーブルにひじをつけて煙草たばこを吸ってる顔に大きな傷がある男、ビールを呑んで酔ってるヤクザっぽい人間の男が6人。


 拳銃けんじゅうや剣等の武器の手入れをしてる【獣人】の男が4人。


「…ーーーーっ」


 私が身構えてしまった事がフィル君に伝わったみたいで


『危なくなった時はテレポートするから』


 そうテレパシーで私に伝えたのと同時にフィル君が受付に歩いていくので私も後についていく。


 私達は受付の煙草たばこを吸ってる顔に大きな傷がある男の前へ来ると、フィル君が自分の魔法鞄マジックバックからポーチぐらいの袋を取り出してジャラとテーブルの上へ置いた。


 男は袋を開けて、パッと見て金貨が300枚(日本円:3,000,000円)以上入っているのを確認する。


「何の用だ?」


 そう言って男は吸っていた煙草を床へ落とし足の裏で火を消した。


 話だけは聞いてくれる様子で私は


(ひとつめクリア!)


 心の中でガッツポーズをした。


「これで【】習得とクエストの依頼を受けたいんだが…」


【ノーマルスキル】はスキルと相性が合えば誰でも習得出来るスキルだ。


「何のスキルだ?」


 フィル君の言葉に男は品定めするように睨み付ける。


「まずは【鑑定】【育成】【合成】それから…」


(どうしよう…私のスキルなのにフィル君任せたままでいいのかな?)


 私はチラッと拳銃けんじゅうを手入れをしてる狐の耳としっぽの獣人を見た。


 私はギュッと胸を押さえて


(フィル君を危険な目にあわせたくない!)





(でも)


 私は【闇ギルド商会ここ】に来る前夜・リビングでのやり取りを思い出す。


「ハルいいですか【闇ギルド商会】は利用者ひとを選びます」


 花や木の実が彫られた白い丸い木のテーブルとイスに座るフィル君は右指を1の形にして話しを続ける。


「まずは僕達のような【わけあり】

 闇ギルド商会ここの人達は『犯罪者』や『故郷を追われた人』等理由は様々ですが、全員【わけあり】なので、お互いの情報を外に話もらさない意味もあります」


 フィル君は右手を2の形にして


「ふたつめは【お金を持っているか】

 ギルド商会通常だとノーマルスキルひとつ銅貨5枚~銀貨2枚(日本円:500~2,000円)ほどで、習得出来ますが、闇ギルド商会そこだと最低でも金貨3枚(日本円:30,000円)は必要です」


 次は右手を3の形にして


「最後は【自分の意思を持ってるか】

 これは闇ギルド商会相手の人の好みにもよりますが、流されやすい人は…闇ギルド商会違法している人達に対して言うのも…なんですが…まず信頼されません。

 最悪そのまま商品にされる可能性や女性だと…アレだったりにされ…ます」


 最後は苦々しくすっごく言いにくそうにだった。





 私は相手の男をじっと見つめる。


(一か八か!)


「あと、武器の“杖”と【馬】のスキルを私に下さい!」


 私の声が部屋に響いた。

 顔に傷がある男がニヤリと笑いながら私に手を伸ばす。


「やっぱり嬢ちゃんだったか…」


 あと少しで私のフードに触れかけた時、男の手と私を隔てる様にフィル君が間に入る。


(フィル君。どうしよう咄嗟とっさに言っちゃったけど、大丈夫かな?)


 私はフィル君の背中を見守りながら自分の胸を押さえる。


 どっくん


 どっくん


 心臓がすごくうるさい。


 男の眼線が私からフィル君にうつる。


「嬢ちゃんと坊主名前は?」


「名前は…」

(本名で大丈夫なの?)


 私が言いよどむと


「アルド。姉はレーナ」


 フィル君は偽名を言った。


(えっ、アルドとレーナっての名前?偶然なの?)


 男は私達を見てあごに手をあてて何か考えながら


「お前ら。俺らに行くわぁ」


 男が周りの男にそう声をかけると、私とフィル君、顔に傷がある男の3人だけ真っ暗な場所に居た。


(コレって‼︎)

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