裏話No.7:『保守派』の僥倖
本話ではテンドレード侯爵家の食卓での一幕をお送りしました。
とはいっても、基本的に侯爵家当主・ノートンの独壇場でしたけどね。(笑)
さて、このノートンですが、元々はモンテガーノ侯爵の対抗馬として用意した人です。
モンテガーノ侯爵ありきなので、どうしても2人を対比して書きたくなります。
という訳でモンテガーノ侯爵とは正反対の性格を用意しました。
モンテガーノ侯爵は基本的に直情的で、あまり腹芸は得意じゃないタイプです。
頭も残念ながら弱く、どう考えても策士向きではありません。
だからこそ、筆頭執事・バエルをそういう事が出来る忠実な執事として傍に置きました。
でないと彼には『革新派』の重鎮なんてポスト、荷が重いです。(笑)
対してテンドレード侯爵は、きちんと考えられる人です。
慎重派で策士向きなので、表と裏の顔をしっかりと使い分けています。
「え? 慎重派なのに前にキリルにあんな事言って上げ足取られたの?」と言われそうですが、あれは彼の表の顔としての腹芸の一環でもありました。
彼は今まで『保守派』の筆頭としていち早く相手のマウントを取る方法で周りを取り纏めてきました。
慎重すぎるあまり弱気な姿勢を周りに見せてしまい、下が付いてこなくなる。
その可能性を危惧した結果です。
だからキリルにも同じ方法で行ったのですが、それはオルトガン伯爵家に対しては悪手だったという……。
って、あれ?
何だか書いている内にテンドレード侯爵もモンテガーノ侯爵と同じ『只の残念な人』に思えてきてしまいました。(笑)
取り敢えずそんなわけで、テンドレード侯爵のオルトガン伯爵家に対する手出しは慎重です。
それでも手出しはする様なので、彼がどうやって、その後どうなっていくのか。
「この人、何かやりだしたな」と、皆様どうか長い目で見守ってやってください。
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