裏話No.5:侯爵家子息の矜持

 



 さて、今回の裏話についてですが……。



 ここ数話続いているクラウンの成長物語(笑)については、もうここで言う事はありません。



 セシリアというスペックが高い比較対象が居る為、どうしてもまだ以前から積み上げて来た彼の残念さが清算出来ていない感はありますが、彼は現在『ウサギと亀に出て来る亀の如く。今正に高い山を登り始めた』という感じです。



 彼は今後良くなるにしろ悪くなるにしろレギュラー級のキャラクターには変わりありませんので、今後もどうか彼の軌跡を見守ってあげてください。





 そんな事よりも。(←笑)

 今回スポットを当てたいのは、レガシーです。



 セシリアと初めて会った時はまるで手負いの獣の様な他人への警戒心でしたが、セシリアにはどうやら慣れた様です。



 そして彼女の後ろにいつも控えているゼルゼンに対しても怖がる様な事は無い様子。

 しかしだからといって彼のコミュ障そのものが解消されたわけではありません。





 そんな彼が今回、クラウンに自分から救いの手を差し伸べました。



 いや、救いの手とはいっても、変わった思考回路の持ち主であるセシリアについて「彼女の言動の『変』さ加減ついては考えても意味ないよ」的な事を言っただけですが。



 しかしそれでもクラウンにとっては激しく困惑していたクラウンにとっては正に救いの手だった事でしょう。





 それにしてもコミュ障の彼が『他人であるクラウンに対して、求められていないにも関わらず声を掛ける』というのは結構なハードルだった筈です。



 彼なりに思う事があっての行動ではありましたが、どちらにしても相当緊張した事でしょう。

 頑張った、レガシー!





 そしてそんな彼がクラウンの背中に対して抱いたのは、「自分はこのままで良いのか」という焦りでした。



 「一応気にしてたんだね」と思った方もいらっしゃったかもしれませんが、彼がそう思い始めたのはセシリアとの交流が始まって以降です。



 それまでは「社交なんて面倒なだけだ。やりたい奴らだけやってればいいよ」等と思って、社交に勤しみ作り笑いを浮かべる他の貴族達の事をどこか冷たい目で見ていました。





 セシリアとのやり取りで少しずつ心が雪解けを迎え、貴族然としたクラウンの背中に感化されて種が芽吹いた、というのがこの時点での彼です。



 この辺の心の機微については、今後細かく書く時が来ると思います。



 それが10歳編でなのかという部分については……触れないでおきましょう。(笑)


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