これが俺の全力だ
てるた
第1話
この世は何でも手に入る奴がいる。
だがそれとは逆に何でも手に入らない奴がいる。
そう後者が俺だ。
「好きです。付き合って下さい」
「ごめんなさい」
その女の子は後ろも振り返らず、どこかに消えて行った。
これで振られた数999人目だ。
俺は自分のクラスに戻ると一人の男子生徒がやってきた。
「今日どうだった?」
「いつも通りだよ」
『しゃあー俺の勝ちだな』
どうやら俺の告白が成功か失敗かを賭けていたようだ。
安心しろ100%失敗するから。
俺は失敗することに関しては最強だから。
『ガラガラ』と扉が開かれ担任が入ってきた。
「え、明日から中間テストを初めますので、もし平均点(60点)以下だった場合先生からこってりとしぼられますので頑張るように」
高校に入学して一ヶ月ばかりだと言うのに酷なことをするぜ。
俺は間違いなく赤点確定だろ。
俺は全ての高校受験に失敗したが、この高校が学校生徒の人数が定員割れしていて、たまたま本当にたまたま入れただけなのだから。
さてと帰るか。
授業も終わり帰り支度を整えていると、後ろから背中を『チョンチョン』とつつかれたので、振り向いた。
『バコーン』
何故だが知らないが顔を殴られた。
まぁ俺もそうだが思春期特有の怒りだろう。
いつもの日常の事なのでクラスメイトの反応は何もない。
さてと俺もたまりにたまった怒りをぶつけるかな。
「ただいま」
当然返事は返って来ない。
まぁ両親は仕事で海外に行ってるから誰も家にはいないんだけどな。
俺は階段を上がり自分の部屋に入ると上半身裸になりサンドバッグを殴りだした。
『なんだよあいつふざけんなよ。いきなり人の顔殴って来やがって。なんだよあいつふざけるなよ。いきなりテストとか無理だろ』
俺は怒りの全てをサンドバッグにぶつけて、今日一日はそのまま寝た。
『はじめ』
先生の一言で机に配られたテスト用紙を表にして、テストが始まった。
見た瞬間俺は悟りました。
何も分かりません。
『そこまで』
その言葉で皆テストに答えを書いていた鉛筆を『ガチャリ』と机の上に置いた。
先生はテスト用紙を束ね教室を出て行ったら『テストどうだった?』など様々な声が教室内に響く。
俺は別に友達もいないし、机に突っ伏して眠りに着いた。
そのまま時間が経ち放課後を迎えた。
あれ、俺寝てたけど誰も起こしてくれなかったのかよ。
酷いクラスだな。
さてと帰るかな。
俺は席を立ち上がるとある一人の女子生徒が目に浮かんだ。
名前は確か………忘れた。
声をかけてもろくな事もないし帰ろ。
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