消えたお菓子の謎(ミステリー、、?)
「ない!!!何で?私のお菓子がないんだけど!!!」
私は今、今世紀最大の危機に直面している。まずい。お菓子が、お菓子が、
「どこ~~~!?」
お菓子がな~~~~い!!
事の発端は一時間前。私は友達と遊びに行く約束があったので、家を出た。その時は確かに置いてあったのだ。机の上に。
それが…帰ってきたら無くなっていた。この一時間の間に家にいたのは、父、母、姉。犯人はこの三人の誰かだ。一番怪しいのは姉。いつもすきを付いては私のものを奪う。おもちゃ、食べ物。小さいときからそうだった。絶対に姉に違いない。
「ねぇ」
「ん〜なに〜?」
「私のお菓子食べたでしょ」
「なんでよ、食べてないよ」
「ほんとに?」
「うん」
「じゃあさあ、なにか知ってることない?その時お父さんが机の近くで怪しい動きしてたよ〜とか」
「あ、強いて言うなら、人は見たな。髪は一つに結わえてた。」
「それお母さんじゃん!!お姉ちゃん、疑ってごめん」
「いいけど。ところでこんなことしてないで勉強したら?馬鹿な頭が更に馬鹿になっちゃうよ~?」
「うるさい!!私は必死なの!!!」
「へえー、あんなお菓子がそんなに大事なんだ、ウケる」
もう何を言っても無駄な気がしたので、無視をしてお母さんのところへ向かった。
「ねえお母さん」
「なあ〜に?」
「なんか私に謝ることない?」
「……………なんでそんなに上から目線なの!言いたいことがあるならはっきりいいなさい!!」
珍しくご機嫌だったお母さんが一瞬にして不機嫌になってしまった。でも私は間違ってない。お母さんがやったんだ。証拠だってある。髪を一つに結わえてるのはお母さんだけだ。
「私のお菓子とったでしょ!!」
「は?なんで取るのよそんなもん!そうやってすぐ人のせいにするのやめなさいよ!」
お母さんが私の頭を家計簿で叩く。
もう嫌だ、こんなの嫌だ!
私は膝から崩れ落ちて泣いた。すると、カランっといって、私のポケットからお菓子が出てきた。チェルシー。
慌てて隠した。お母さんはこんなのがわかったらさらに怒るに違いない。姉が見た、髪を一つに結わえてる人は私だったのか。全く覚えていないが、きっとそうなのだろう。全ては私が悪かった。私が悪かった。私が悪い。悪いのは全部私なんだ。
私はチェルシーを舐めながらもう一度泣いた。
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