赤ずきんちゃんと死神さま 番外編~超リアルな死神さま~
碧居満月
第1話 超美麗な死神さま
障子を開けるとそこは、日本間になっていた。およそ四帖はあろうその部屋に
「室内の空気がめちゃ悪い。できるだけ長居は避けたいな」
用があって日本間を訪れた青年が吐き気を催しながらもパチンと指を鳴らし、灯をつける。
こうこうと灯がつく日本間で、シロヤマはひとり、スマホを片手に悠然と佇んでいた。
「さて……スマホでSNSチェックしてたら気になったんで、時を遡って作者の
同業者のシロヤマでさえヒクほどの、超リアルな死神さまのことを文章にするとかなり生々しくなって作風を壊しかねないので、少し離れたところから静観中のシロヤマ本人のリアクションで察していただければと思う。
「アレだと対戦しづらいから、赤ずきんちゃんと死神さま風にデフォルメしたろ。ついでに戦いやすいように、部屋を広くしたれ」
しれっと思いついた妙案を口にしたシロヤマは、自らの神力で以て、作者の面前に佇む超リアルな死神さまをデフォルメし、日本間を数倍広くした。
「う~ん。オレ好みのイケメンになったな」
フードをかぶり、漆黒のマントを身に
「とりあえず今は仮として、超
機敏な動きで背丈を超す銀色の大鎌を手に飛び上がり、鎌を振って青白い光の刃を飛ばした。
作者の頭上を飛び、少女漫画に出てくる切れ長の目の、美男子にデフォルメされた超リアルな死神さま改め、超美麗な死神さまが、シロヤマと同じ大きさの黒い大鎌で以て青白い光の刃を受け止め、そのまま後方へ押しやられた。
「ここは俺に任せて、君はここから逃げるんだ!」
スタンと着地し、作者に背を向けて佇むシロヤマが、右手で持った大鎌を携えながら、空いてる左腕を横に伸ばし、これ以上危害が及ばないように自ら盾となる。
颯爽と駆けつけ、超美麗な死神さまから救ってくれたシロヤマに感謝の言葉を述べた作者が、逃げるようにその場を去って行く。
「これで満月さんの安全は保たれた。ここからは思う存分、暴れさせてもうらうぜ!」
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