第27話 上総

「これワンピースみたいに違う島に行って話を変えたり、魔神英雄伝ワタルみたいに第2階層に行って物語を変えるのも、ゴットカードでイベントが変わりましたで物語の内容を変えるのも一緒だね。」

 結局、物語なんて、みんな一緒。深く考えるのはやめよう。厳密にやるのもしんどいからステータスも要らないや。毎回、ガチャするのも疲れた。

「はい! 元通り! アハッ!」

 色々試したが、元通りに戻るというやつだ。エピソード書いて戦闘してと他の作品となんら変わらない所に行きつく。

「ということで、細かい街の開発や個人のステータスアップは要らない! トレーニングしましたの一文で、ガツン! とレベルアップしてやるぜ! わっはっはー!」

 それが小説というものだ。


「ゴットカードは現代ファンタジーだ。異世界にも行かず、昔の日本にも行かない。イベントごとにイベント・ストーリーが変わる。」

 なんだ? こうなってくるとイベントだからとガッツリ異世界ファンタジーの世界に行ったのが失敗だったのか?

「現代にオール・ジャンルで登場する。」

 これで世界観はブレない!

「要するに物語のストーリーか、登場キャラクターのエピソードが定番だが、そこが薄かったということか?」 

 毎回、毎回、新しいキャラクターを登場させて、そのキャラのエピソードを書いていく。ただそれだけだ。今の30分アニメみたいなものだな。同じことの繰り返し。エピソードのパターン替えだけだな。面白くない。他に術はないのか? 無いのだろう。だから、現代の30分アニメはそうなっている。盛り上がりもないしな。結局、盛り上がりって戦闘シーンかアイドルが歌を歌っているシーンだけ。要するに戦いのシーンだけあればいいのだ。戦いの試行錯誤だけでよい。


「ゴットカードで勝負だ!」

 CMでは最後の学食のプリンで争っていた.争っていた。正にスーパーの特売の卵98円の最後の1パック的なノリ。お遊び王カードゲームだけど。

「それって、初期に書いたものと一緒よね。」

 ポーちゃんの初期は家族やスーパーの特売の卵。あと銀行強盗に食い逃げ。なんでもゴットカードで勝負をつけたぜい!

「国民の義務!」

 ゴットカードは国民の義務。法律に定めよう。

「分かった! 慣らしカードの期間が少なかったんだ。」

 それともっと詳細な設定。

「もっと地に足のついた作品にしないといけないんだ。」

 がんばるポー!


「全てのカードは最強にできる。」

 育てれば育てるほどステータス解放条件までアップできる。基本は100だな。52万とかになると新規さんはやらない。

「誰でもできるゴットカード。」

 目指す所はそこだ。育成と組み合わせで誰でも最強になれる。


「1話1キャラクター1エピソードからの1戦闘。」

 悩むのしんどいから定番の物語でいいや。アハッ!

「字数も気にするのはやめよう。」

 ステータスも書きたいように書こう。


「失敗はなんだ? 退陣をやめてイベント・ストーリーに走った所か?」

 たぶん、それだ。

「ゴットカードを考えないで、ストーリーを考えることに走ったのが間違いだ。」

 ということで、もっと対人しよう。ポーちゃんの周りの人間と戦えばいい。

「そうなると最初に書いたゴットカードは秀作だったんだな。アハッ!」

 がんばるポー!


ピキーン!


 その時、ポーちゃんの心の靄が晴れる。

「里見義子にして、こいつとゴットカードで戦えばいいんだ。」

 ここだ! ここにたどり着きたかったんだ!

「ドラゴン・ドラ子ではない! ドラゴンはゴットカードだ。それを扱うのが魔王ドラゴン・キング。若しくは、例えばドラゴン使いだ。そいつとゴットカードで対戦する形にすればいいんだ!」

 もう少し早ければ頓挫しなくて良かった。まあ、竜の探求で魔王ドラゴン・キングまでたどり着けなかったというだけ。

「それでも、この形にたどり着けたのは良かった。」

 思考時間が少なかった。出来上がっていないのに書き始めたのが問題かな? お遊びカード王も絵が無理なので見てないんだよね。

「これでどんなイベントが来ても大丈夫。アハッ!」

 カードの使い手とカードは別モノ。こんな簡単なことが理解できていなかったなんて。

「でも銀行強盗や食い逃げ犯とかで最初はカードの使い手もちゃんと使っていたのに?」

 イベントになって、ストーリーの構成ばっかりでカードの使い手を忘れちゃったんだね。

「ポーちゃん第1話を書き直さなくっちゃ?」

 いや、ここは実験場で10万字を書いて、次の第1話からでいいか。

「物語を続けよう。」

 がんばるポー!


「上総国の大名里見義子! ポーちゃん! 私とゴットカードで勝負よ!」

「おお! ゴットカードで国盗り物語じゃ!」

 できた! 物語の形。最初にできていたものをどこで捨てたんだろう? また拾えたことは奇跡! 後はこれを繰り返すだけ。

「いでよ! 歩兵さん!」

「おお!」 

 ポーちゃんは歩兵さんをゴットカードから召喚する。

「震えるがいい! 恐れるがいい! 私のカードはヤマタノオロチだ!」

「ガオー!」

 里見義子はヤマタノオロチをゴットカードから召喚した。

「そんなのありか!?」

「ありです!」

 窮地に立たされるポーちゃん。

「それなら、こっちも奥の手を出しますか! いくよ! 歩兵さん!」

「おお!」

「変身! シャドー・ナイト!」

 ポーちゃんの歩兵さんが歩兵アーマーを脱ぎ捨て本性を現す。その正体は超超超レアな影の騎士シャドー・ナイトだった。

「卑怯な!? そんな隠し手を持っていたなんて!?」

「里見八犬伝だからって、ヤマタノオロチを出してくる方が反則よ!」

 一進一退の口喧嘩。

「いくよ! シャドー・ナイト!」

「おお!」

 歩兵さん押しよりも、この方がしっくりくる。昔リュウ・ナイトみたいのがあったような? ネットで調べたが奮わなく玩具も前半で打ち切り。悲しみしかないな。ワタル、グランゾートはよくて、リューナイトはダメ。エヴァも途中頓挫作にしか見えないが何が良かったとウケているのだろう? エヴァ? 剥き出しの感情表現? 世の中の人間はあんなにも精神が弱いのか? 最近でいうと君の名、進撃、毀滅の様にマスコミを巻き込んで売った作品の一つでしかない。ゴットカードも売るための作品の仲間に入れるだろうか? 

「必殺! シャドー・スラッシュー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「やらせるか! ヤマタノオロチ・エイト・ファイアー!!!!!!!!!!!!」

 互いの必殺技が火を噴き激しくぶつかり合う。

「こんなところで負けていられるか! 秘技! 8竜首切り落とし!」

「ギャアアアアアアー!」

 シャドー・ナイトの剣技でヤマタノオロチの8首を全てきり落とす。

「正義は勝つ!」

 勝ち名乗りをあげるシャドー・ナイト。

「やったー! 勝った! わ~い!」

 大喜びのポーちゃん。

「そ、そんな。私のヤマタノオロチが負けるなんて!?」

 ショックの里見義子。

「私の勝ちね。義子ちゃん、私のいうことを聞いてもらうわよ。」

「負けたわ。煮るなり焼くなり好きにしなさい!」

 覚悟を決める義子。

「私とお友達になろうよ。」

「え?」

「義子ちゃんは今日から私のお友達だよ! 仲良くしようね!」

「ありがとう。ポーちゃん。」

 武士の情けならぬ、ポーちゃんの情け。

「やったー! これでお友達が増えた! わ~い!」

 大喜びのポーちゃんであった。

 つづく。


「これでいいのかしら?」

「良くないんじゃない。だって私たちが登場してないもの。アハッ!」

「ポーちゃんだけ目立っている。やはりここは一人一人違う道から進行を始めたという展開の会話が必要だったわ。」

 聖闘士星矢の12宮や海底の7柱の様に。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る