第7話 ロック・マウンテンの洞窟

「見えた!」

 いきなりポーちゃんが叫んだ。

「私たちの育成が無条件になるなら、敵の上限も無制限にすればいいのよ!」

 超画期的なアイデアである。

「おお! スゴイ! アイデアだ!」

 表にしてみよう。


超超超レアが100パーセント。

超超レアが90パーセント。

超レアが80パーセント。

普通の上限が70パーセント。


「なんだから分かりにくいな。」

「この表を修正する。」


超超超レアが100パーセント。

超超レアがマウス・ナイト。

超レアが勇者トロ、魔王ドラゴン・キング。

普通の上限が歩兵さん、愛騎士、雑魚モンスターのみなさん。


「やっとレアリティーが公表されたわね。」

「課金しても絶対でない出ないクソガチャじゃないでしょうね。」

 そういうスマホゲームはたくさんある。

「違うわよ。それにこの竜の探求のオチはもっとミステリアスで悪い奴よ。」

「なにそれ!? 意味深!?」

「オチが思い描けたから、ここで書く必要はなし。ワッハッハー!」

 イヒッ!


「イベントの開催期間が2週間。」

 竜の探求が2週間開催。

「その次の週のイベントが・・・・・・最後の幻想よ!」

「いきなり次回イベントの発表だ!」

「ドンドン! ピュウピュウ! パフパフ!」

 こういう時は大盛り上がりのポーちゃんたち。


「1日の戦闘回数を制限したり、1日を24時間で24回だけ動けるとかもナンセンス! それなら逆に無制限で遊べるようにした方がいいだろう!」

「おお! スタミナ制限の撤廃ですな!」

「そしてオート戦闘は設定回数が終わるまで解除できない罠!」

「え?」

「しかも竜の探求で魔王を倒した人全員に伝説の勇者トロの剣をプレゼント!」

「やったー! 全プレだ!」

「ドンドン! ピュウピュウ! パフパフ!」

「ただし! トロの剣は勇者トロしか装備できないので、課金しまくって勇者トロのゴットカードを手に入れてね。アハッ!」

「ふざけるな! この悪魔め! 悪霊退散!」

「こらー! 塩を撒くな!」

「福は内! 鬼は外!」

「節分かい!?」

 愉快なポーちゃんとお友達。


「時間の概念は、イベント開催期間は2週間で、物語の進め方はパワプロ方式でいいんじゃない?」

「何をするか、行動を選択するってことね。」

「怪我してシーズンを棒に振って引退して人生を終える奴ね。」

 悪い印象しかないパワプロ方式。

「でもスマホでもポチっとだけで話が進めるからベストよ。」

「そうね。実際スマホで戦闘アクションは無理。」

 それが現実だ。


「後、せっかく内政や外交なんかも実装したんなら、自国か庭を持って箱庭ゲームも取り入れた方がいいんじゃないかしら?」

「それをいうならスマホでも気軽な音楽のリズムゲーでしょ。ポチっとするだけでいいんだもの。」

「ということは、私たちアイドルデビューするのね。三人だからパフュームかリボンね。後ろ髪惹かれ隊なんてことも考えられるけど。」

 アアアアアー! これ全部足るのかよ!?


「あの、もうそろそろよろしいでしょうか?」

 そこに見知らぬモンスターたちが現れる。

「ごめんなさい。お待たせしました。」

 丁寧に頭を下げるポーちゃんたち。

「ワッハッハー! 私は魔王様の配下の魔導士だ! ポーちゃん! おまえの命はここで尽きるのだ! 次のスワンプの洞窟には行かせないぞ。スワンプの洞窟にはドラゴンがいるが鍵がなければ戦うことができないから安心して進みたまえ。良い子のちびっ子たち。」

「毎回の情報提供ありがとうございます。」

 感謝するポーちゃんたち。

「しまった!? 私としたことが!? やってしまえ! おまえたち!」

 魔導士は意外と良い人だった。

「カタカタ!」

「白コウコウ!」

「マドマド!」

 カタツムリ、白コウモリ、魔導士が現れた。


カタツムリ。

レベル11。

全ステータス22。

お金110円。


白コウモリ。

レベル12。

全ステータス24。

お金120円。


魔導士。

レベル13。

全ステータス26。

お金。130円。


「いくよ! 愛ちゃん! ミキちゃん!」

「おお!」

 ポーちゃんたちも気合を入れる。

「いでよ! 歩兵さん!」

「おお!」

「いでよ! 愛騎士!」

「おお1」

「いでよ! マウス・ナイト!」

「おお!」

 ポーちゃんたちはゴットカードからユニットを召喚し戦う。

「かたつむりコロコロ!」

「血、吸ったろか!」

「火の魔法よりも強力な炎の魔法をくらえ! ファイア・フレイム!」

 モンスターたちが攻撃してくる。

「キャアアアアアアー!」

 必死でかわすポーちゃんたち。

「今度はこっちの番よ! いくよ! 歩兵さん!」

「おお!」

「必殺! 投火短剣! 36連の舞!」

 サイキッカーに覚醒したポーちゃんが歩兵さんに36本のナイフを操らせ魔導士に襲い掛かる。

「愛騎士!」

「おお!」

「秘技! ハート・ブレイク!」

 愛ちゃんの指示で愛騎士がカタツムリの甲羅を叩き割にかかる。

「マウス・ナイト!」

「おお!」

「必殺! ネズミ斬り!」

 ミキちゃんの指示でマウス・ナイトが空高く飛翔し白コウモリを攻撃する。

「ギャアアアアアアー!」

 ポーちゃんたちは魔物を倒した。

「正義は勝つ!」

 歩兵さんたちは勝った。

「やったー! 勝った! わ~い!」

 大喜びのポーちゃん。

「みんな、ありがとう。アハッ!」

 いつも明るいポーちゃん。


パーティー2戦2勝。

パーティーマネー2760円


ポーちゃん。

内政0

外交0

武力3

魅力100


歩兵さん。

HP10

MP10

攻撃力10

防御力10

素早さ10

魔法力20

運20


職業

歩兵。ステータス補正無し。

自称、武器投士。特殊。ニュータイプ用のサイキックジョブ。


装備

武器、銅の剣。攻撃力1

   ナイフ36本。

体、銅の鎧。防御力1

腕、銅の盾。防御力1

頭、銅の兜。防御力1


アイテム

なし。


スキル。

投石。

投短剣。

投剣。

摩擦で火をつける。

火投石

火投短剣。

火投剣。


ナイフ36連攻撃。



愛ちゃん。

内政1

外交1

武力1

魅力1


騎士

HP30

MP20

攻撃力20

防御力20

素早さ20

魔法力20

運20


職業

騎士。ステータス補正全ステータス1。


装備

武器、銅の剣。攻撃力1

体、銅の鎧。防御力1

腕、銅の盾。防御力1

頭、銅の兜。防御力1


アイテム

なし。


スキル。

騎士斬り。

ハート・ブレイク



ミキちゃん。

総合評価 S

内政100

外交100

武力100

魅力100


マウス・ナイト。

HP100

MP100

攻撃力100

防御力100

素早さ100

魔法力100

運100


職業

ねずみ騎士、干支12神の一人。


装備

武器、ねずみの剣。攻撃力100

体、ねずみの鎧。防御力100

腕、ねずみの盾。防御力100

頭、ねずみの兜。防御力100


アイテム

なし。


スキル。

ねずみ斬り。

窮鼠猫を噛む。


「ダメだ!? この調子の成長だと、敵の方が強い!?」

「特にポーちゃんが弱すぎるわ。」

「ここはやっぱりオート戦闘しかない!」

 ということで話をまたぐところでオート戦闘をぶち込むことにした。

「1回の戦闘でステータス・ポイントが2。仮に敵に合わせてポーちゃんのステータスを全て30にしようと思った場合。30割る2で15。ステータスが7個あるから、15かける7は105回。」

「105回オート戦闘をしないと全ステータスが30にはならないということね。」

「早速、やってみよう!」

「おお!」

 ポーちゃんたちは強くなるためにオート戦闘を行った。これもお客様を逃がさないための苦肉の策である。

「ちょっと待って。そんな簡単に強くなれるんなら、超超レアの私のマウス・ナイトの全ステータスは元の1000に戻してもらうべきだわ!」

 ということで、レベルの上限が無制限で主人公のレベルに合わせた魔王ドラゴン・キングの強さ設定ということでバランス調整が落ち着いたらしい。

 つづく。

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