第5部に登場したキャラクター&作中用語の解説(ネタバレを含みますので本編読了後に読むことを推奨)
今回はあまり燃えなかった我らが主人公。
料理ができる、ということから全国展開している量販店『サンユーデパート』がクリスマス商戦に向けて行う大規模なVtuberコラボ企画のメンバーに同期の喜屋武沙織(花咲たらば)と共に抜擢された。
そこで一期生の先輩である須藤澪(左右田紗理奈)と出会い、彼女の仲介で【トランプキングダム】に所属している狩栖優人と引き合わされる。
好人物であり、演技や創作について造詣の深い優人とすぐに仲良くなった零は、初めてできた同性のVtuber仲間である彼とコラボ配信をするなど、充実した日々を送っていたが……そこでまた事件が起こる。
優人と同じ【トランプキングダム】に所属しているメンバーが沙織を半監禁状態にするという事件が発生。
沙織からのSOSを受けて優人と共に現場へと急行した彼は、優人に叱責されて激高した黒羽葉介の口から澪が元【トランプキングダム】所属であり、デビュー前に姿を消したということを聞かされる。
その後、澪の口から真相を教えられたのも束の間、上述の悪事を含めた葉介たちの犯罪まがいの行いが内部告発されてしまったために【トランプキングダム】を中心とした炎上に事務所絡みで巻き込まれることとなってしまう。
幸か不幸か、彼自身の被害は大したものではなかったが……Vtuber界隈には枕営業や裏取引が横行しているかもしれないという疑惑を払拭するため、そして優人や澪を助けるために、行動を開始。
これまで出会ったVtuberたちを集めた大型コラボを行うことで、自分たちには後ろめたいことなど何もないというアピールを行うという企画を立案する。
【SEASON】、【VGA】、【反省厨】などの事務所の垣根を超えたメンバーを集めて行われた声劇コラボは大成功を収めたが、残念ながら【トランプキングダム】の解散を食い止めることはできなかった。
優人から澪と共に別れを告げられた後、暫くショックで配信を行えずにいたところを有栖の訪問を受け、彼女に自身の苦しみを吐露。
普段とは逆に彼女に励まされる立場になった零は、少しずつ前を向き始めている。
今回の事件は零にとって、大切に想った人のことを救えなかったという苦い思い出として心に残ることとなった。
ヒロイン。零(枢)の嫁。
今回は出番が少なめだが、要所要所で彼を気遣ったり、やきもちを焼くなど、正妻の名に相応しい活躍を見せた。
零が優人と共に彼の自宅でカンヅメ状態になった際には、体調を案じて様子を見に行くなど、相応の心遣いを見せている。
更に澪と共にて料理を振る舞うなど、どんどん正妻力が高まっている模様。
ラストでは優人を救えなかったことを悔やむ零に本心を吐露するように促し、涙する彼を優しく抱き締める。
零もそうだが、弱音や本音を吐きだせる相手としてお互いのことを見ていることからも、二人が相手のことを特別に思っていることがわかるだろう。
有栖に代わって前半のヒロインを務めたお姉さん。今回は零と同じく、料理ができるからという理由でサンユーデパートとのコラボ企画に参加することが決まった。
色々な部分(性格と胸)が似ている澪ともすぐに仲良くなり、信頼関係を結ぶが……同時に、彼女が何かを隠しているということを感じていた模様。(自分がそうであったから)
その予想は正しく、後に彼女もまた零と同じく衝撃の真実を知ることとなる。
それ以外の面では、同じデザート部門に配属された古屋恋のまさかの裏切りによって、【トランプキングダム】の男たちの標的にされてしまう。
あわやその毒牙にかかるところであったが、自身のSOSを受けて即座に駆け付けてくれた零と優人のお陰で大事には至らなかった。
しかし、彼女を標的として葉介たちが起こしたこの事件によって、Vtuber界隈は大きな騒動に巻き込まれることとなってしまう。
零が発案した声劇コラボでは、男性キャラであるたらば将軍の役を割り当てられる。
普段の陽気な雰囲気を封じ込めた冷酷かつ暴力性に満ちた軍人としての演技はファンたちからも好評で、流石はたらばと賞賛された。
【トランプキングダム】の崩壊に関しては零や澪同様にショックを受けているようだが、自分よりも深い悲しみに包まれているであろう二人のことを気遣っている。
今回初登場。一期生、左右田紗理奈の中の人で、零たちの先輩。
胸と尻のサイズを除けば子供にしか見えない、ロリ巨乳体型の無邪気な少女であるが、これで二十を超えている。
自由奔放な行動で零を振り回すが、決して節操なしの人物というわけではない。
零の声や何でもそつなくこなす才能に目を付けた彼女は、ボイスの販売やその脚本の制作を提案するという建前を作り、彼を優人と引き合わせる。
特別な感情を抱いている彼との再会を喜ぶ彼女であったが、それが事件の引き金になってしまったということなど、この時は知る由もなかった。
実は二年ほど前まで【トランプキングダム】に所属しており、そこからハートのクイーンを担当するVtuberとしてデビューする予定であったが、代表である剣山一聖から愛人契約を持ち掛けられたことがきっかけで事務所を脱退、【CRE8】に流れ着いたという過去を持つ。
後ろめたい過去を掘り返されたくない剣山が情報を封じ込めていたが、それが逆に事務所内の面々に完全なるデマを流布させる原因ともなってしまった。
沙織が襲われかけた事件を経て、彼女と零に自身の過去を告白した澪であったが……その直後に【トランプキングダム】の内部告発によって、所属タレントたちが多くの女性を食い物にしていたことを知ってしまう。
自分が二年前に一聖の悪事を告発していればこんなことにはならなかったと、抱え続けていた後悔を爆発させてしまった彼女は暫く塞ぎ込むこととなり、一時は引退も考えるようになった。
しかし、零の説得を受けて復活した優人の励ましを受け、後輩が企画した声劇コラボにまとめ役として参加することを決意。
これまで培った人脈とコミュニケーション能力を活かして、その役目を見事に完遂してみせた。
しかし、喜んだのも束の間、【トランプキングダム】の倒産によって優人がVtuberとしての活動を引退せざるを得ない状況になってしまったことを知る。
声劇コラボが始まる前からこうなることを知っていたという優人の言葉に、これまで彼と交わしてきた約束は口だけのものだったのかと彼を責めるも、最終的には自分が何もかもを押し付けて逃げたせいだと自己嫌悪に陥りかけるも、そこを救ったのはやはり優人だった。
彼から別れを告げられながらも、同時に必ず帰ってくるという約束を交わした後、ライル・レッドハートとしての引退配信を見守る澪の瞳には、涙が浮かんでいた。
零よりも激しく凹んだ彼女であるが、今は優人が帰ってくることを信じてVtuberとしての活動を行おうと前向きになっている。
有栖からも指摘されたが、彼女の無邪気で自由奔放な性格は本来の弱い自分を隠すための殻のようなもの。
決して全てが嘘というわけではないが、本来は有栖同様に自分に自信がない人間だったりする。
ただし、それは自分の過去に対する後悔が原因によるものであり、半分ほどではあるがその呪縛から解き放たれた今、澪は少しずつではあるが明るい自分自身を取り戻しつつあるようだ。
名前の由来はさそり座の英名スコーピオと零から(スコーピオ→すこう ぴお→須藤澪)
配信のタグ→#蠍座劇団開演中
ファンアートの総称→#蠍座劇団ポスター(R18は#蠍座劇団ピンクポスター)
ファンネーム→#蠍座劇団おっかけ(通称おっかけ)
通称サソリナ。【CRE8】一期生で、ボイスや声劇の台本の制作を担当する、クリエイター活動を行っているVtuber。
男女コラボを頻繁に行い、絡む相手を次々に変えることから
モデルとなった澪と同じロリ巨乳体型や無邪気な性格がその悪評に拍車をかけている部分もある模様。
服装はゴスロリ系のワンピースで、胸の谷間を見せつけるようにハート型の穴が空いている。
ここまで話を読み進めてくれた皆さんならば、この穴が何を意味しているかを理解してもらえるだろう。
Vtuberとしての活動の中で叶えたい夢は、Vtuberだけで構成された劇団を作ること。
今回の声劇コラボでその一部分は叶ったものの、あくまで声劇であり、演劇ではないため、まだ上を目指している。
また、コラボで一生懸命に仲間たちを纏めようと奮闘していたことがファンたちの間に知れ渡ったお陰で、これまでの評価が覆りつつある模様。
どんなに涙を流したとしても、赤く燃ゆる心臓の輝きだけは消えはしない。
その尾で、両手の鋏で、未来を切り開き、前へと進んでいく彼女の姿は、きっと多くの人々の心を貫くはずだ。
名前の由来はそのまんまさそり座+今を意味するNow(左右田紗理奈→そうださりな→さそりだ+なう)
【トランプキングダム】
中規模を誇る人気のVtuber事務所。男女混合であり、所属タレントは全員、王、女王、騎士といったトランプをモチーフとしたキャラクターである。
その見た目に違わず、王子様売り、お姫様売りといった上品かつガチ恋勢を量産する活動方針を執り続けていたのだが、その実キャラクターを担当する中の人たちは自身の欲に溺れたり、そういった事務所の方針にストレスを抱え続けていた。
二年前に事務所の代表である剣山一聖が澪を脅して愛人契約を持ち掛けたことを契機に、彼のことを優人が見張る状態になっていたのだが……それ以外のタレントたちがひっそりと隠れて私利私欲のための行動を開始。
看板タレントである二人が次々と女性に手を出し、飽きたら捨てるという行為を繰り返しており、その中には未成年の女子もいた模様。
結局、内部の不和によってその悪事が暴露され、看板タレント二人を含む数名が逮捕。責任者である剣山も逃亡していたが、今は逮捕された模様。
中核を担うタレントがごっそりと抜けたこと、サンユーデパートをはじめとする多くの企業に違約金を支払わなければならなくなったこと、そして何より、信頼を完全に失ってしまったことで活動が困難となり、解散を発表した。
【トランプキングダム】初期メンバーである、ライル・レッドハートの中の人であり、澪の友人。二十歳。
温厚な性格で、物腰も柔らかい好青年。澪とは互いに想い合っている関係だが、最後の一押しが足りていない。
澪の仲介によって零と引き合わされた後は、彼ともいい関係を築き、本人やファンたちからもよき兄貴分として認知される。
優人自身も零との出会いを喜んでいたが、最終的にはVtuberとしての活動を引退せざるを得なくなってしまった。
本業のVtuber活動の他に漫画系動画チャンネルに台本を提供する、同僚たちのボイス台本やサムネイルを提供するなど、その仕事は多岐に渡る。
そういった事情もあってか、実は【トランプキングダム】内では一番給料が高い。(しかも使わないので貯金がめっちゃある)
後輩であり、同じハートスートに所属していた古屋恋のことをかわいがっていたが、彼女が黒羽たちの悪事に加担していると知り、大きなショックを受けた。
その後、零の説得によって澪を笑顔にするために立ち上がり、彼の台本作り及び声劇コラボの実行に協力する。
実はもうこの時点で事務所の解散は決定事項であり、コラボが成功したとしても引退することは決まっていた。
しかし、後輩たちに最後の晴れ舞台を与えたかったことや、自分たちの責任を果たすために全力を尽くすことを決め、このことは零たちには告げずにコラボに参加。
結果としてコラボは成功したが、上記の通り、引退を避けることはできなかった。
しかし、最後の配信では後輩共々晴れやかな表情を浮かべており、歌ってみた動画で前向きな別れの歌を披露するなど、気持ちの整理をつけるのに大きく役立ったようだ。
零や澪と交わした約束を反故にするつもりはないようだが、今はまず、引退して行き場をなくした仲間たちの受け入れ先を用意するなどの【トランプキングダム】に所属していた者としての責務を全うするために行動したいと言い、二人と再会を約束して別れを告げた。
名前の由来はライルの方はそのままハートのジャックのモデルとなった人物、ラ=イルと赤いハート。
優人の方は単純に優しい人+有栖(澪に対する零と同じ)+聖杯(チャリス・カリス)+???
優人と同じ【トランプキングダム】に所属しているVtuberの中の人たち。
事務所が崩壊する原因を作ったメンバーでもある。
実は剣山は優人に見張られているお陰でそう大した悪事はしていなかった(常識の範囲内の女遊びはしていた)のだが、澪の一件を知られることを恐れて逃亡。
現在は身柄を拘束され、取り調べに応じている最中である。
葉介、大也は各スートの王として人気を博しており、ファンたちにちやほやされたせいで調子に乗ってしまった。
葉介の方は特にその傾向が顕著であると同時に、同業者へのセクハラじみた言動が原因で炎上した際のストレスが溜まっており、行動が欲望に忠実になってしまっていた。
ハートスートに所属している恋は自分をかわいがり、鍛えてくれていた優人を裏切ってそんな彼らに協力していたが、全てが終わってからはようやく目が覚めたようだ。
彼ら、彼女らがどうなったのかは、明日から投稿される短編『Heart goes on』にて明かされる。
名前の由来はVtuberとしてはそれぞれのスートのキング。
現実では……
剣山一聖=スペードの象徴である剣+一
黒羽葉介=クローバー
小森大也=こうもりと読み方を変えてダイヤ
古屋恋=ポーカーの役であるフルハウス+したごころ(恋は下に心がある)
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