2期生ウィーク最終日!1週間を振り返りながらみんなでパーティ!!

最終日の配信、スタート


『え~、では改めまして……1週間、お疲れ様でした! まだ終わったわけじゃあないけど、2期生ウィークの成功を祝して、乾杯!!』


『『『『かんぱ~いっ!!』』』』


 夜7時、俗にいうゴールデンタイムの時間に始まった配信の冒頭は、たらばが代表を務めての乾杯の音頭であった。


 各々がこれまでの1週間でやってきたように自己紹介をし、一言二言の挨拶をして、次の仲間にバトンを渡して……と、スムーズに配信を進んでいった2期生たちは、手にした紙コップをぶつけ合うと共に明るい声でたらばの音頭に応える。

 室内にはそんな5人の声に紛れてジュージューという何かが焼ける音も響いており、リスナーたちには届かない香ばしい匂いも漂っていた。


『というわけで2期生ウィーク最終日となる本日は、お疲れ様会兼1週間を振り返る雑談配信をお届けするさ~! お寿司はまた別の機会にして、今日はみんなでお好み焼きを作って美味しく食べてくよ~!』


『もう焼いでもいが!? わー、お腹ぺごぺごなんだ!!』


『はいはい、慌てないでください。今、全員分のお好み焼きを焼いてますから』


『リア様はトッピングに何を乗せたいです?』


『ええっと、卵さ豚肉さ揚げ玉にお餅どチーズどエビも乗っけで……そうなるどイカも欲すいなぁ……』


『そんなに乗っけられませんって。あんまり欲張らず、3つくらいにしましょうね』


『……完全に親子の会話ね。くるめい夫婦とロリリア様的な3人家族だわ』


【食いしん坊リア様かわよす! いっぱい食べておくれ!!】

【くるめいは結婚していて既に子供まで出来ていた……?】

【しょっぱなから特大のてぇてぇをぶち込むんじゃない。魂が肉体から飛び出しただろうが】


 和やかな会話と共に料理の支度を進める枢たちの会話に対して、リスナーたちもその場面を想像しながらコメントを送っている。

 特に企画があるわけでもなく、ただ純粋に同期たちと楽しみながらここまでの1週間を振り返るだけの配信ではあるが、それを見守るリスナーの数はこの6日間の配信のどれよりも多い数字を叩きだしていた。


 ここまでの1週間を見守ってきたリスナーたちにとってもそうだが、様々な企画を打ち立て、それに挑んできた5人にとっても、この振り返り雑談配信は感慨深いものがある。

 美味しいものを食べてその労をねぎらいつつ、タレント、リスナー問わずに楽しみを共有しつつ、2期生の仲間たちとの思い出を作るための配信を楽しく進めていきながら、枢は焼き上がったお好み焼きをそれぞれの紙皿へと乗せていった。


『はい、出来上がりましたよ。リア様には1番大きいのをあげますね』


『わ~い! 蛇道さん、ありがとう!!』


『たらば、あんたマヨネーズ使わないの?』


『うん、美味しいけど太っちゃうからね~。ソースだけで十分さ~』


『ふふふ……! こうして見ると、トッピングに皆さんの好みが出てるんですね。そういう楽しみもあるんだ』


 お好み焼き自体にどんなトッピングを乗せたのか? ソースやマヨネーズ、青のりにかつお節といった調味料をどれだけかけるのか? 他にもお好み焼きの大きさや食べるペースなど、その1つ1つに各人の性格や趣味趣向が出ていることに気が付いた芽衣がくすくすと笑いながら言う。

 きっとこの慰労会の中でも、これまで知ることのなかった同期たちの新たな一面を見つけることが出来るはずで、それがまた一段と自分たちの理解度と絆を深めてくれるはずだと、そう考えて笑う彼女もまた仲間たちと一緒に手を合わせると、たらばの挨拶に合わせて頭を下げた。


『じゃあ、いっただっきまーす!! ん~! みんなで食べると普段の10倍は美味しいね~!』


『そっすね。俺たち社員寮住みの人間は基本1人で飯食ってるから、こうやって賑やかな食事会は楽しいっす』


『軽く食べて腹ペコリア様が落ち着いたらさ、1週間の振り返り雑談を始めましょうか』


『むっ!? なんか愛鈴さん、わーのこど馬鹿にすてませんか?』


『可愛い、って言ってくれてるんだと思いますよ。まだまだ具はありますから、いっぱい食べてくださいね』


 まずは5人で食事を楽しみつつ、腹を膨らませる。

 2期生全員でテーブルを囲んでの食事会の空気を楽しみつつ、温かな空気を存分に味わった一同は、食事がひと段落ついた段階で早速初日の企画の振り返りを行っていった。

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