24.そうだ、野球をしよう。
※本稿は「朱に交われば紅くなる2」で以前公開されていた話をそのまま転載したものです。
どうも皆さんこんにちは。初めましての人は初めまして……だけど、そんな人はまあ、いないだろう。きっとそうだ。もしいたのならば今すぐ回れ右をすることをお勧めしたい。きっと君には、ここからのお話は全くの意味不明だろうから。
と、まあ大仰に語りだした挙句、まるで「今までの流れを知っていれば意味不明にはなりえない」みたいなことを言っておいておいてなんだけど、もしかしたら違うかもしれない。俺こと
なぜかって?
そんなもの、目の前を見れば一目瞭然だ。
「いやぁ~……ここ、一回使って見たかったんだよね」
「楽しそうですね。一応行っておきますけど、今日の目的は西園寺さんの特訓ですよ?」
「分かってる分かってる」
「分かってませんね……これは」
なんだろう。
なんだとおもいます?(再びの疑問形)
一面に広がるのは人工芝。隣にはバッティングセンターが併設されている。平日の昼間ではあるが、楽しそうな声と、軽快な金属音が定期的に漏れ聞こえてくる。
そう。ここはバッティングセンター併設のレンタルフィールド。
広めのフリースペースに、併設されるブルペン。草野球人の練習から、元プロ野球選手の動画撮影まで、その使用用途は様々だ。
紅音たちは今、運動部でもなければ草野球人でもないし、ましてや投稿用の動画を作成しなければいけないわけでもないのにも関わらず。このスペースを貸し切って使用している。
紅音がいるのはブルペン。隣のフリースペースでは「面白そうだから」といってついてきた
「さて、時間も限られてます。やりましょうか?西園寺さん」
盛り上がる
「打倒・
そう。
それが今回の目的なのだ。
紅音が、野球で陽菜を打倒する。
意味が分からなかった。
当事者ですら意味が分からないのだから、それ以外の人間に分かるはずもない。
だから、順番にここまでのことを確認していこう。
そう、あれはなんでもない、平和すぎるくらいの放課後のことだった。
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