エピローグ

空が明るく光り輝くと、少し遅れてここ一体に爆音が鳴り響いた。

これ程の高火力、初めてみる・・・

十中八九、世界最強の男、黒白様によるものだ。



だが、目の前の敵UCは一切怯む様子を見せずにこちらをみていた。

実際に見たのは初めてだが、恐らくこのUCは災害級だ。

大きさは30m程の比較的に小型なものだが、このUCの保有している魔力量は間違いなく災害級に等しい。


ビルを倒壊させ、火を吹いた。


上空ではS級魔法師が戦闘を継続していた。そんな中、私は偶然にも地上に着地した災害級UCに接敵してしまった。


千恵と、名前の知らない2人の魔法師が戦闘をしていた。

当然、千恵やそこら辺の魔法師では対処出来ない。


「逃げて!!!美月!!!」


「で、でも!!!」


「多分こいつは災害級UCだよ!私じゃ無理だ!だから早く!!!」


千恵は必死の防御をした。

私はその様子をみて大いに迷った。





千恵に隠している秘密を打ち明けるべきか・・・





だが、背に腹は代えられない。

私は覚悟を決めると隠していた魔力を解放した。

真っ白のオーラをまとい、亜空間から取り出した剣に魔力を込める。



そのSに周りにいた魔法師はいっせいにこちらを向いた。

千恵も、とても驚いた顔をしていた。



本気を出すのはおよそ9年ぶりとなる。


あの日以来、ずっと封印していた本当の魔力。


久しぶりに使ったため、まだ、魔力に大きな淀みがあった。

これではギリギリ足りない。だが、時間を稼ぐだけであれば可能だ。


私は、剣を持っていない左手を千恵に向けると世界で一番使える人が少ない魔法を放つ。



「時間魔法<逆再生タイム・リバース>」



例え相手が世界最強と謳われる黒白様だとしても私の方が時間魔法に関してだけは上であろう。

それほど、時間魔法に関しては自身があった。

案の定、千恵は言葉を失っていた。


「千恵、秘密にしていてごめん・・・ここは私に任せて下がって・・・他の方々も援軍を呼んで下さい!!!あまり持たないかもしれません!」


「はっはい!!!」

「了解!」


「後で教えてね!美月・・・」



そう言うと千恵は私にここを任せて走っていった。

膨大な魔力量によって敵UCもこちらに気付いたようだ・・・


私は飛び出すと敵UCに向かって突っ込んだ。


昔の感覚を思い出しながら加速魔法と魔力障壁を使って敵を翻弄する。

昔から得意であった氷魔法を使って辺り一面を凍らせた。


「氷魔法<氷爆>!!!」


しかし、敵UCの張った魔力障壁によって防がれてしまう。

ならばと、次は爆発魔法を繰り出す。

だが、それも敵UCの魔力障壁を突破する事は出来なかった。


私は、一度距離をとり、再び敵UCを見つめた。


このままでは火力不足で、討伐は不可能。

だが、援軍の見込みは無し、押すことも引くこともできない。


私がどうすればいいのか迷っていると、懐かしい魔力が天から舞い降りた。

そして彼は、私に向けて懐かしい声を届けた。


「助けが必要か?美月」


振り向かなくてもわかる。彼は・・・私が長い間探していた人物。

私は、ゆっくりと頷いた。

そして、絞るように助けを求めた。


「うん・・・助けて、



「わかった・・・・・・」




少年は少女の肩に手を乗せた。


その瞬間、『龍の力』の起動因子を手に入れた少女は凄まじい魔力とともに光の柱に包まれた。


光が途切れると少女の髪色は黒から白に変色していた。


少女は、生まれて初めて固有魔法の第一段階を使う。


第一段階ファースト・リミットブレイク<龍召喚-時空龍ヘレナ>」


少女の目の前に一本の黒い龍剣が現れた。


少女はそれを握ると左から右に剣を動かした。


その衝撃波だけで、災害級は真っ二つに切り裂かれた。



私は、龍剣を亜空間に戻し振り返ると9年ぶりに再会した愛しのお兄ちゃんに抱きついた。


「本当に久しぶりだね、お兄ちゃん・・・私・・・あの時・・・」


「僕も・・・死んじゃったとばかり・・・」


9年ぶりの再会で何を言えばいいのか分からない。でも、この気持ちだけは伝えたい。


「ただいま、お兄ちゃん・・・」


「うん、お帰り、美月」





Day4


その後、ゼラストの指示のもと事態は速やかに収拾した。

多少の被害はあったものの被害は最小限に抑えられた。


そして朝日奈とセランは被害が出てしまった事に謝罪した。

それと同時に、第三次奪還作戦『スカイ・バースト』の実施日が12月になる事と『魔力使用制限法』が発表した。


ネット上では、この3つについて、数々の議論がなされた。

また、美月が時間魔法を使った事などはジルトレアの情報統制によって闇に葬られた。


代わりとして黒白が放った謎の魔法についての動画がネット上に上がったため、話題はそっちに行った。



結人はというと、摩天楼にある自室で咲夜と美月とレネの4人でこれまでの思い出を語りあった。


結人が美月とくっつきすぎということで咲夜に嫉妬されたのは別の話。



________________________________



いかがだったでしょうか!!!


何がどうなってんねんと思うかもしれませんが、すみません。


第4章では、ついに、結人の過去が語られます!


それでは、『最強の妹とメモリーロード』をお楽しみに~


次回更新はおそらく、明後日になります。

頑張ります!

宣伝@ASasterisk_




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