#11 久しぶり④

「では、結人さん。お先に行かせて頂きます。」


茜の番が終わると次は咲夜が装置に触り魔力を込める。

すると、例によって赤く光輝いた。


「どんな感じてすか?」


「体内魔力量は約150万、空間魔法適正値1.50、時間魔法適正値0.50、精神魔法適正値3.50、重力魔法適正値3.50、精霊魔法適正値5.00、波動魔法3.00。いや~流石私の娘!信じられないレベルだよ。」



「私の数値変わってない・・・ちょっと残念です・・・」



「・・・俺負けてんだけど。」


真人は自身の数値よりも高い数値を当然のようにとる咲夜に落ち込む。


「は、は、は〜どうだ!真人!ウチの娘の実力は!」


優夜は娘の事になると妙に得意げになる。

ちなみに、咲夜は父親に魔法を教わったわけではない。多少は教えて貰う機会があったが、その多くは母であるエリーナに教えて貰っている。


精霊魔法に関しては独学である。

咲夜は父親と同じ炎の精霊使いだが、先代の教えよりも効率的に魔法を極める方法を発見したため先代の教えをまるっきり無視している。



「チッ!結人!この親バカに現実ってもんを教えてやれ!」


「おいおい、俺は別に親バカじゃないぜ?咲夜ちゃんが可愛いすぎるのがいけないんだよ。」


「それを世間一般じゃあ、親バカっていうんだよ!」


「それに真人、結人君はうちに婿養子に来るんだぞ?って事は俺の息子も同然だろ?」


「いやいや、その理論でったら咲夜ちゃんは俺の娘だから。それにその話は白紙になっただろ?」


「何だと?この野郎。お前にうちの娘はやらん!」


「もらうのは俺じゃなくて結人だからな?」




・・・父さんも、お義父さんも順調なようだ。

このいつもの掛け合いが妙に久しぶりな気がする。

全員が一緒にいた6年前が懐かしい。


昔は4人で組んで日本を引っ張っていたらしい。

その子供同士がこうして日本を引っ張って行くのは何とも素晴らしい事だ。



「まぁ、あの2人はしばらく向こうで放置されてしておくとして、結人君も一応見ておく?多分だけど耐えれると思うから・・・」


「わかりました。」


結人は前にでると装置に触った、そして目をつぶり魔力を込める。


身体の周りからいつもの純白のオーラが漏れ出す。


ブリュンヒルデとは違い、手を触れていないと使えないらしい。

だとしてもこの大きさはコンパクトすぎる。



「体内魔力量2000万、空間魔法適正値10.00、時間魔法適正値5.00、精神魔法適正値5.00、重力魔法適正値5.00、精霊魔法適正値0.00、波動魔法5.00・・・」


「流石結人さんです!」

「流石だね~結君!」

「毎度の事ながら驚かせられるよ・・・」



最強にして無敵。

序列一位にして人類の希望。

その強さの秘密1つ、それはまるで神に作られたかのような圧倒的な数値だ。



「皆さん、そろそろお昼にしませんか?」


琴音の提案にうなずくと結人たちは父親をおいて別荘へと戻った。



        *



同時刻ー???




「はぁはぁはぁ・・・ただいま戻りました、女王様」


「おぁ、戻ったかご苦労だったな、メルリア。して、その慌てた様子はなんだ。」


「は、報告致します。かの星で強大なる人物と接触しました。」


「接触?お前にはかの星で起きた作戦を停止する用に命じたはずだ。その際、かの星の者どもには接触するなと命じたはずだが・・・」


「も、申し訳ございません!私が海を飛んでいるといきなり魔法で海に落とされたのです・・・」


「海に落とされただと?お前は我が国最強の近衛騎士団の団員だろ?そんなお前がかの星の者ども程度の魔法を受けてどうする・・・」


女王は呆れてため息をつく。

昔、自分もかの星に行った事があるが、その時は真意魔法はおろか通常魔法すらまともに使えなかったような連中だ。


かろうじて使えたのは歴史のある家のみだった。


「重ね重ね申し訳ございません・・・」


「参考程度に聞こう、どのぐらいのレベルまでかの星の者どもは強くなったのだ?」


「それが・・・」


「ん?どうした?ハッキリ言え。少しはマシになったか?」


興味本意で聞いてみる。もうかの星に行くことは無いだろうが、

不慮の事故とは言え、あの星では少しの間お世話になっていたので興味を持つ。



「はっ!最低でも貴方様と同レベルの原住民に接触しました!」


「この私と同レベルですって?!」


予想外の返答に驚く。以前の彼らからは考えられない進歩だ。

自分がいた頃はその世界中の全て人間が力を合わせたとしても負けない自身があった。

まさか、たった数十年でこれほど魔法が進歩していたとは・・・


すると、メルリアはまだ何か言いたそうな顔をしていたのですが聞いてみる。


「女王様・・・大変申し上げにくいのですが・・・」


「貴方と私の仲だ、遠慮は無用だ。」


少し考えてからメルリアは観念したのか、渋々主に真実を告げる。


「最低でも同レベルであります。もしかしたら貴方様を超えるかも知れません・・・」


「なんだと?!それは本当か!!!王国最強の私よりも強いだと!」


「はい・・・魔力反応は間違いなくかの星のものでした。真意魔法の<ファースト・スキル>らしきものを使われたのですが、桁違いの強さを誇っておりました。そして、恐らく貴方様と同じように<フォース・スキル>まで持っているでしょう。体内魔力量はそれ程多くはなかったのですが、魔法式を構築してから攻撃を繰り出すまでの時間があまりにも短すぎました。」


「だとしたら3年前と5年前の<キング・クラス>が消失したって噂も本当ってことなのか?」


「お、おそらくそう思います・・・」


「問題はそのような魔法師が何人いるかだな・・・」


「いかがいたしましょうか・・・」


「次の暇な時間に私自ら出ることにする!」


「じょ、女王様、それは流石に・・・」


「私しか対処できるものがいないんであろう?ならば私が出るべきだ、異論は認めん、直ぐに準備をしてまいれ!」


「は!」



命令をうけたメルリアはすぐさま「失礼します。」と言って去っていった。

その顔はどこか喜んでいる様子だった。


あ!私としたことが・・・彼の人物と会話をした事を女王様に報告し忘れていました!

仕方がありません、また後日にしましょう・・・




その頃女王の、自分の部屋のデッキに出て、星空を眺め旧友を思い出していた。


隆元・・・そしてセラン、元気にやっているだろうか・・・



彼女は見えるはずのない地球を遠い目で見ていた。


________________________________



終わり方が少し微妙な気がしますが

少しずつ全貌が見えてきていますね~




新作を書いて見たので是非読んで見てください!





読んでいただいてありがとうございます!

良かった星を下さい。

作者が喜びます。

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