#24 部活動の決め方①
災害級UCはその圧倒的な強さからそのように呼ばれているが、そのように呼ばれる理由がもう一つある。
それは地震のような災害のように、忘れた頃に突然やってくるからだ。
親善試合から数日が経ち、盛り上がりもだいぶ冷めてきていた。
ある日の夜、結人と咲夜の2人は自室で茜から緊急の連絡を受けていた。
「今から30分ぐらい前に小笠原諸島からおよそ400km地点に1体の災害級UCが確認された。日本防衛軍は偵察のためB級魔法師と対UC高速戦艦<ハチクマ>を派遣、しかし対象を視認と同時に対象による超高温のビーム攻撃を被弾、魔力障壁を一撃で突破され<ハチクマ>は撃沈。幸い死傷者はいなかったものの、接敵から被弾までの時間の短さから戦艦による接敵は不可能と判断。そこでこの特別部隊”夜明けの光”に討伐を一任された。」
「説明ありがと、山本君。そ・こ・で、結君の出番ってわけ、本当は他の子にお願いしようと思ったんだけど、ちょうどこの前定期検査に出したあの武器のテストをするのにちょうどいいかな〜って思ってねー。詳しいデータは送っといたから、指定したポイントに来てね~」
相変わらずの唐突な指示・・・
この人は相変わらず元気なようだ・・・
「わかったよ、姉さん。」
*
自室で指令を聞いた2人は戦闘服に着替えて指定されたポイントへ行き、高速船に乗る。
そして対象から一番近い島に移動する。
船を降りると以前からお世話になっている男が近づいてきた。
「久しぶりだな~結人。娘に話は聞いているぞ。お前らの仲は相変わらず変わらないないようだな。」
「お久しぶりです和良楢さん。」
「お久しぶりです和良楢さん、桃さんとは学校で仲良くさせて頂いてます。」
「娘と仲良くしてくれてるみたいで嬉しいよ。はいこれ、異常なしだってさ。」
そういうと、和良栖さんは一丁のスナイパーライフルを手渡してきた。
「さぁ結君。やっちゃって。妹ちゃんはいつも通り魔力制御の補佐を。」
遠距離攻撃用光学兵器”MKーV2ドレータ”
銃身約1.5m、射程距離1万kmの結人専用の光学兵器。
何故結人にしか扱うことができないか、その理由は簡単で約1万個の魔法陣を制御した上、演算が可能な人間が結人ぐらいしかいないからだ。
しかし、ここで1つ問題が発生する。
「姉さん、来たのはいいけど、どうするの?ここから敵さんまで400kmも離れているんでしょ?この武器じゃ届かないよ・・・」
高さ10mの地点から狙撃しても直線にしか進まない光学兵器では対象が地球の影に隠れてしまうため届かない。
高度を高くする、つまり上空に移動すれば射程圏内に入ることが出来る。だが、そうなるとこの兵器の大き過ぎる反動に耐える事が出来ず狙いを外してしまうかもしれないのでこの方法は採用できない、そこで茜が採用した案というのが・・・
「大丈夫大丈夫、貫通させる許可はもうとったから。」
「へ?貫通?何を?」
「え?何ってそりゃーもちろん地球をだよ、結君。」
「へ?」
「だーかーらー地球だよ地球、この青い星のことさ!!!」
そうドヤ顔で地球を貫通させようと言う茜。
これが茜が評価される理由の一つである、独創的でとび抜けた発想力だ。
ただ、上層部は大切な事を考えていない。その独創的すぎる作戦に振り回される同志達の事を・・・
「いっいいの?確かに地球を貫通してもいいのなら、どこまでも真っ直ぐ進む光学兵器なら可能だけど・・・」
「効果範囲は直径2mぐらいでしょ?それなら大丈夫だよ。狙うはUCの核。じゃあやっちゃって結君、妹ちゃん。」
UCには基本1つの核というものが存在する。
また、基本UCは核が存在する限り魔力が尽きるまで再生を繰り返す。とても固く難しいが、核を破壊できればUCは消滅するという弱点をもっている。UCは例え下級でも人間の数百倍の魔力量を保有している。そのため多くの魔法師は核を破壊するという方法を採用している。
「わかったよ、姉さん。」
結人は赤い狙撃銃を受けとると地面に寝そべり構える。咲夜は結人を抱き締めた。
「角度、距離、術式演算、魔力循環、
「システム演算完了、魔力供給完了。いつでもいけます、結人さん」
「
周囲の魔力が全て銃身に集まっていき、一つになっていく。
2人は赤いオーラをまとい、人とは思えない魔力を帯びる。
赤く光り輝いた銃口は更なる輝きを増していく。
そして、引き金を引いたのと同時に波動砲が発射された。
発射された光線は地中を貫き直進する。
「命中まで・・・カウント、5、4、3、2、1、着弾・・・。対象のUCの核貫通を確認、任務完了。結人さん、咲夜さんお疲れ様です。」
秒速50kmで放たれた真っ赤なエネルギーの塊が地球を貫通し、対象であるUCの核を貫通した。
山本さんの遠くの様子をみる能力によってUC討伐が確認された。
「了解〜、山本君。お疲れ結君、妹ちゃん。明日も学校でしょ、早く帰りな〜」
「はい姉さん」「はい、姉様」
「学校ではうちの桃をよろしくな、気が向いたら魔法の指導をしてやってくれ!」
「はい、了解しました。」
「はい、流石に正体を知らせる訳にはいきませんが・・・アドバイスをしてあげようと思います。」
2人は学校に大急ぎで戻ると夜が明けてしまっていた。
*
次の日、部活動についての説明会が行われた。
「今日は学校生活の定番中の定番”部活動”について説明する。本校は特別な理由がない限り全員入部してもらうことになっている。アホみたいにあるから気に入るのが見つかるだろう。まぁ新しく作る手もあるがその為には5人必要だ、まぁあまりお勧めしないな、面倒だし・・・。部活には大きく分けて3つある、運動部、文化部、そして研究部だ。兼部は2つまで可能だが同じ種類の部活はできない。例えば文化部と文化部のような組み合わせはできない。さっき配った資料に詳細が載っているから確認してくれ。」
資料を開いてみると少し、いやだいぶおかしなものばかりだった。
【結人さん、見て下さいよこれ。”無敵の夫婦研究会”なんてものもありますよ。これ絶対に私達のことですよね。本人が入ったら面白いと思いませんか?フフフッ】
【さっさすがに恥ずかしいかな。他のにしようか咲夜、これなんてどう?”時間魔法研究会”だってさ】
【時間魔法ですか・・・やはり諦めらないんですね、結人さんは・・・たしかに過去行くことが出来ればあの『悪魔の日』を阻止することができるかも知れませんが・・・】
確かに僕は完成したら人類の希望となるであろう時間魔法を作ろうとしてその計画を断念したことがある。しかしまだ諦めていないのも事実だった。
それにしても偶然指したのが時間魔法研究会とは・・・神はまだ研究を諦めない事を願っているのか・・・なんてね・・・
【まぁどんな理論を作っているのかなと・・・】
【それなら後で一度見に行ってみましょうか。】
もう一度この部活の決めの目標を確認しましょう私!。
何としても結人さんと同じ部活に入らなくては・・・できれば邪魔な女の子がいない所が望ましいですね、新しく
【うん、そうするか。】
「あぁ1つ言い忘れていた。私のおすすめを言っておこう。運動部は”黒白様の剣術部”、文化部は”黒白様の歴史部”そして研究会はもちろん”ゼロ・ノート研究会”だ、どれか1つは入るべきだ。頭に入れておくといい。連絡すべき事はもうないこれで今日の授業は終わりだ。この後は自由に部活動見学をして頂いて構わない、一週間以内に決めて申請を出すように、それでは解散だ。」
先生の解散の合図とともに親友がやってくる。
「おいおい、人気だな~黒白様は。いいな~青の悪魔研究会がある事を期待したのに・・・」
『青の悪魔』と呼ばれている樹は世界中に恐れられている。中には熱狂的なファンもいるがそれは極少数だ。
何故か樹は残念そうな顔をしていた。持たざる者の気持ちは知らないが持っている者である結人は自分の研究会が存在する話を聞いて恥ずかしく思った。
「いや、案外恥ずかしいものだよ。僕には樹が羨ましいよ。」
「お前に持たざる者の気持ちはわからんさ、じゃあ行こうぜ結人、咲夜、一緒に部活を見に・・・」
「うん行こう。」
「はい、皆さんも誘って一緒に行きましょう。」
3人はいつもの3人を誘って部活動の見学に向かった。
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めっちゃミスが多かった・・・
他にもあるかもしれないので、見つけたら教えて欲しいです。
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