#9 入学への実感②
ミスがあったので#3#4#5を修正しておきました。所々微妙に変わってます。
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【どうしましょうか結人さん、私したことないです・・・】
【僕もない・・・力になれなくてごめん、咲夜・・・】
焦っても落ち着いても順番は刻一刻と近づいてくる。
結人は”藁科”だから最後の方、そのためまだ時間に余裕がある。でも"嘉神"である咲夜は違う。あと4人・・・それが咲夜に残された時間だった。
【結人さんお願いします!アドバイスをください。このままだと私・・・】
【ちょ、ちょっと・・・】
【結人さんアドバイスをくれないとお仕置きとしてクラスメイトたち全員に婚約のことを公にしますよ?いいんですか?・・・】
咲夜は事前に結人の逃げ道を潰しておく・・・
結人の性格を結人の家族以上に把握している咲夜からしてみれば結人がどのように行動するかなど簡単に予測することができる。つまりその選択肢を先に潰すこともできるのだ。
【それは困る・・・可愛い彼女を持っている男子は憎まれるという話をこの前樹に聞いたことがある・・・それは何がなんでも避けたい・・・友達を作るためにも!!!】
【可愛いですか・・・彼女ですか・・・そっそんな優しい言葉をかけて惑わそうとしても、わっ私は決して揺らぎませんよ///・・・・・・あと2人で私の番、ゆっ結人さんピンチです。お願いします、助けてください。】
【とっとりあえず、名前と趣味と好きな食べ物それと好きな事や物を言えばいいんじゃないかな、あと得意な魔法とか。それを言っておけば何とかなるんじゃ・・・】
【や、やってみます。】
ついにその時が来た。
「次の人。」
「は、はい。」
先生に呼ばれ咲夜は前に出て行く。そして教卓の前にたちこっちに振り向くとニコッと笑って自己紹介を始めた。
その天使スマイルはクラス中の男子の心を鷲掴みにする。
「はじめまして、1年Aクラスになりました、嘉神 咲夜と申します。得意な魔法は探知魔法と炎術術で、憧れている人は序列1位、黒白様です。仲良くしてくれると嬉しいです。よろしくお願いします。」
【黒白様って僕のことじゃん咲夜・・・】
機密事項という理由で結人の本名は公開されていない。中には公開している魔法師もいるが面倒くさい上にファンに付きまとわれるのでほとんどの魔法師は公開していない。そのため世間では代わりに二つ名で呼ばれたりしている。
結人の二つ名である
【あら?嘘は言っていませんよ、私は結人さんのことを心から愛してますから///】
【・・・ありがと、咲夜】
結人は突然の不意打ちに顔を赤くしながらそう答える。
大きな拍手が送られ、彼女はゆっくりと自分の席に着く。
やはり咲夜はすごい。
家事も勉強もなんでもこなすまさに完璧超人だ。僕はどうしよう…
しばらくして僕の番がやってくるこのクラスは全員で24名そしては僕は後ろから2番目、1番後ろじゃないだけましだがプレッシャーは大きい。
「次!」
「はっはい。」
【頑張って下さいね、結人さん】
【う、うん。頑張ってくるよ。】
結人も教卓の前に立ち自己紹介を始める。
「初めまして僕は藁科 結人と申します。得意な魔法は光魔法と炎魔術です。憧れている人は焔の姫様です。同じ炎魔術使いとして尊敬しています。気軽に結人って呼んで下さい。あまり強くありませんが4年間よろしくお願いします。」
このまま終わる予定だった。しかし、それを先生は許さなかった。
「おや〜あまり強くないです、か・・・私は試験官に結構強いって聞いたんだけど、それにその魔力反応なんか変な感じがするけどなんなの?説明してくださるかしら。」
痛い所を突かれる。いつもの癖で魔力感知に引っ掛からないようにしていたままだった。
「これはその〜魔力制御の練習を日々やっていたら、たまたま出来るようになったんですよ。それにちょっと魔力操作が得意なだけで強くないですよ、そんなに・・・」
ーーー誤魔化せたか?結構妥当な言い訳だったと思ったのだけど・・・
「まぁ、そういうことにしといてあげましょう。」
「失礼します。」
心の中で小さくガッツポーズをして、席に戻る。
【危なかったですね結人さん、それとあの〜その〜嬉しかったですよ。】
【う、うん】
ーーー藁科・・・ということはあの人の息子さんか。全く魔力感知に引っ掛からなかった。これは期待できそうだな・・・
「では次、最後!」
「は、はい!」
彼女は前に立つと大きな声で話し始めた。
最後に呼ばれた桃色の髪に赤色の目の少女は何処か異質な感じがした。
「私は
ーーーやっぱりこの感じ精神系の魔術か。となるとアイツの娘ってとこかな。今年はあの人の子に、雷帝、あの可愛い子に、精神系魔法師、そして何より同学年最強か・・・期待出来そうだな・・・これから4年間楽しくなりそうだな・・・
【珍しいですね、精神系の魔術ですか、もしかするとあの人の娘さんかもしれませんね。】
【そうかもね、もしそうならあの人には色々お世話になったし気が向いたらあの子を鍛えてあげようかな・・・】
【ずっずるいです。私も結人さんと魔法の練習したいです。】
【まぁいいけど・・・咲夜は十分強いでしょ。】
【強くなることじゃなくて、結人さんと一緒にいることが大切なんですよ。これから毎日お願いしますね。】
【うん、がんばろ!!!】
そしてついに長くて短い夢の学園生活が始まった。
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