#7 絶対に受かる入学試験⑤

イチャイチャ回です。



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試験から1週間後、学校から自宅に合格通知が届いた。予定通り試験にAクラスで合格していた。



「よかったな結人、これで全員同じクラスだ、これから楽しみだな・・・」


「そうだね、樹。まぁ僕は面接の時に校長先生から合格って言われていたから知っていたけどね。」


「私も実は知っていました。」


合格が決まった3人はそれぞれの指定された寮の部屋に向かっていた。

威力50000ぐらいまでは耐えれそうな魔力障壁バリアを備えており、2重ロック制で完全防備なこの寮は一種の要塞のようだった。


「701号室は~~どっちだろう・・・・・・」


「へ~結人は701号室か~俺は702号室、隣だな偶然かな、よろしく。」


寮は7階立てで、Aクラスは7階、Bクラスは6階、Cクラスは5階というふうにクラスごとにワンフロアという仕組みになっていた。


「うん、よろしく。ところで咲夜の部屋はどこなの?」


「ふふふ、秘密です。着いてからのお楽しみですよ。」




樹の部屋である702号室の扉を開けると、そこには顔馴染みのある男が優雅にコーヒーを飲んでいた・・・


「久しぶり3人とも。ここにいるということはAクラスになったんだな、これからよろしく!」


「同室になった仙洞田 樹だ、樹で構わない、こちらこそよろしくな大和。」


「あぁよろしく。」


2人はニコッと笑うと握手をした。


「じゃあ2人で簡単な挨拶でもしてて、僕は自分の部屋へむかうよ。またあとでね。」


「おう、じゃあな。後で遊びに行かせてもらうからな!」


「また後で自分も行かせてもらいますね。」


「うん、またあとで・・・」



同室となったのだ、積もる話の一つや二つ、あるだろう・・・そう思った結人は咲夜と一緒に部屋を出た結人は701号室じぶんのへやへ向かった。とはいっても隣の部屋なのだが・・・

ゆっくりと扉を開けるとそこに広がっていた部屋は702号室樹たちの部屋の3倍以上の広さの豪華な部屋だった。


「え?何この部屋・・・もしかして間違えた僕?」


一度外に出て表札を確認する。しかし、ここが701号室であることは間違いないようだった・・・


「いえいえあってますよ結人さん、えい!」


「え?ちょまっ咲夜~」


咲夜に押されて入ったその部屋は学生には大き過ぎる部屋だった・・・

2人分のテーブル、2人分ソファー、2人分の椅子そして・・・キングサイズのベッドが1つ・・・。


「ん?どうして2人分の家具なのに、ベッドが1つしかないんだ?まさか・・・・・・咲夜?」


振り向くとそこには顔を真っ赤にした僕の婚約者フィアンセがいた。どうやら予想が当たったようだ。


「フフッ。正解です結人さん、私も701号室この部屋です。」


そう言ってカードキーを見せてくる。

結人は咲夜の上目遣いにドキッとして咲夜同様顔が真っ赤になってしまう。そして思わず目を逸らしてしまった・・・


「あの~咲夜さん?いくら婚約者といっても・・・」


「私は別にかまいませんが、嫌なんですか結人さんは?それに私たちは夫婦でありませんか、夢にまで見た新婚生活ですよ?」


あからさまに残念そうな顔をする咲夜。その様子をみて断れる人間がいるだろうか、いやいない。


「まぁ僕もいいけど・・・嬉しいし。」


「そっそうですか・・・意識したら少し恥ずかしですね・・・」


「・・・」


「・・・」


2人の間に沈黙が訪れる。結人たちの脳はフル回転していた。

ーーー気、気まずい・・・

ーーー困りました、話す内容が・・・


このとてつもなく無駄で、そして高度な争いに勝利したのは咲夜だった。


「あっ、そーでした。お義姉様からこの部屋についたらすぐにビデオ通話をしてと、おっしゃっていましたよね。早速かけてみましよう・・・」


「そ、そうだね・・・」


2人はソファーに座ってテレビをつけ、通話を開始すると、見慣れた黒髪の美少女が映る。


〔こんにちは~お姉ちゃんだよ~久しぶり〜愛する弟よそして義妹ちゃんよ、うんうん楽しそうだね〜私も嬉しいよ〜〕


「ちょっと姉さん!咲夜と一緒って大丈夫なの僕はいいけど。それにこの部屋は?・・・」


咲夜の父親はちょっと・・・いやだいぶ娘を愛しすぎている人物だった。昔、咲夜に求婚を迫った勇気ある男を刀で切ろうとしたという逸話が残っている。まあ逸話というより実話だが・・・その反面、結人のことを本当の息子のように可愛がってくれる優しい一面もある・・・


〔もちろん結君の部屋よ~ちょっと大きいけど・・・そこはほら結君はまだ子供とはいえ世界最強で人類の希望、これでもまだ小さ過ぎるという意見がでたほどだよ。ちょっとは自覚持ちなさい。それとおじさんのことは気にしないで、ちゃんと許可とってあるから。それといい話を聞かせてあげるよ、実はね~そこの義妹ちゃんがね~〕

「お義姉様?それは言わない約束では?それとも日本政府は国が灰になることをお望みなのでしょうか?いくらお義姉様でも許せませんよ?」


顔は笑っているが目は笑っていない。その存在感は結人ですも圧倒していた。


〔そ、そういえばそんな話をしたんだったっけね・・・ま、まぁ2人で『新婚生活』楽しんで、それじゃあまたね~。〕


プツンと通話が切れると、再び静かな時間が訪れる・・・・・・


「・・・なんだったんだ?」


「さぁ、何だったんでしょうね。私にも少しわかりかねます。さて、今日はもう遅いのでご飯を食べて寝ましょう。」


「うん、そうしようか・・・それにしてもよく僕らの入学が認められたよね・・・」


「多分お義姉様がで解決したのではないでしょうか。」


「たしかに姉さんならやりかねないな・・・」


「はい・・・」


交信を終えた2人は一緒に食事をとり、同じベットで身体を寄せ合って眠りについた・・・





それにしてもいいな~結君は。あんなに自分を思ってくれる婚約者がいるなんて。私もほしいなぁ~婚約者・・・・・・


時は1ヶ月ほど前に遡る。結人の知らない間に、姉妹によるある計画が進められていた・・・


ーーーそれで?学園に通う条件はなんなの義妹ちゃん。結君のためにもある程度のことなら譲るよ。


ーーー簡単なことなのですが・・・結人さんと同じ部屋に住みたいです・・・私達の愛の巣が欲しいです・・・


ーーーふふふっ、大胆な義妹ちゃんだこと・・・そのぐらいおやすい御用だよ。


ーーー結人さんには秘密ですからね、いいですか?


ーーーわかっているよ。安心して。



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読んでいただいてありがとうございます!

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結人と咲夜が喜びます

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