第58話 迎撃と幸せの為に
睡眠薬まで使って支配しようとしたクソッタレな大男の親から雪代先輩を奪還した後に俺達はサークルに集まっていた。
その場所にはみんなが居る。
みんな眉を顰めて考えていた。
困ったもんだな、と言いながら健介が切り出す。
俺は、だな、と答えた。
「正直それはもう人じゃないぞ。そんな汚い事をするなんて。実の娘に」
「.....そうだな。俺もそう思ってる。だからこそ俺達が守っていかないといけないだろうなって。長谷川先輩も頑張るって言っているけど限界があると思う」
「確かにね。いーくん」
「いっすー先生.....」
俺達は考えながら悩む。
すると雪代先輩が切り出した。
正直あの地獄から帰って来れるとは思ってなかったよ、と言いながら。
君達は無茶苦茶だな、と言いつつ。
俺は苦笑した。
「俺達には貴方が必要です」
「.....そうです。雪代先輩」
「だね」
そんな言葉を交わしながら。
でも母さんがどうなるかだけど、と顎に手を添える照魔くん。
俺はその言葉に悩む。
がそれも雪代先輩が切り出した。
「大丈夫。母親は死なないよ。あの人も頭がキレるから。死んだりはしないと思うし」
「そうかな。お姉ちゃん」
「そう。大丈夫。死んだりしない」
言いながらテーブルに腰掛けていた雪代先輩は飛び降りる。
それから雪代先輩はニヤッとして顎に手を添える。
そして笑みを浮かべた。
君達がここまで仕掛けたんだ。
これから反撃をしないとな、と言い出す。
俺達は見開く。
「.....そうだな」
「ですね」
「ここまで来たら終わらせないとですね」
「私にも責任がありますから」
俺達はそんな感じで見合いながら頷き合う。
そして俺はこの様に切り出した。
円陣を組みたい、と。
するとみんな納得した様に、そうだな、とか。
だね、とか言い出す。
「円陣を組んでから全部退けよう。全てを!」
「「「「「おお!!!!!」」」」」
俺達は立ち向かう。
悪に、だ。
その全ての悪に、だ。
俺達は円陣を組んでからそのまま決意する。
全てをぶっ倒して幸せになると。
「イスカ」
「何でしょうか。長谷川先輩」
「正直言って俺達はお前が居なくてはいけない存在になった。お前が全てを変えたんだ。.....お前にお礼が言いたい」
「俺は何もしてないです。.....みんな自由に変わっていっているんですよ」
「いや。お前が居なかったら勇さんも倒せなかった。.....お前が世界の中心だ」
そしてみんな俺を見てくる。
俺は何だか恥ずかしくなってから頬を掻いた。
本当に恥ずかしいな。
すると千佳が、いーくん、と言ってきた。
それから俺の頬にキスをする。
「.....何すんの!?」
「俺に任せろってのが格好良いよ。エヘヘ」
「オイオイ.....」
「でも本当に感謝してる。そしてみんなにも感謝しかないです」
「千佳.....」
私のせいで御免なさい皆さん、と頭を下げる千佳。
俺はその姿を見ながらみんなを見る。
そして頷き合った。
それから、千佳。顔を上げて、と言う。
すると千佳は涙目で顔を上げた。
「マジにみんなお前も居ないといけないと思っているから」
「そうですよ。千佳さん」
「ですです」
そんな感じで言うと千佳は涙を浮かべて、有難う御座います、と頭を下げる。
それから頭を深く下げた。
千佳の手を握る。
そして笑顔を浮かべた。
「大丈夫。アイツは.....お前の親父さんは特殊だったんだと思う」
「.....私の親はもう.....考えられないぐらい悪だった。.....だから変わってほしかった。でも変わらなかったから。頭を下げるしかないよ。私が」
「.....そうだけど.....」
「ああもう!!!!!暗い暗い!」
言い散らかしたのは雪代先輩だった。
明るさを取り戻した様に笑顔を浮かべる。
俺はその事に目を丸くする。
そして雪代先輩は、千佳!明るくなっていこう!アンタの幼馴染は最高だから!、と言ってくる。
千佳は目を丸くしながら、は、はい、と驚く。
そんな姿を見ながら俺は千佳の手を握る。
だそうだしな、と言いながら。
「.....もう.....みんな.....」
「そんなもんよ。アハハ」
「.....有難う。みんな.....」
号泣する千佳に寄り添う雪代先輩。
俺はその姿を見つつみんなを見つめる。
じゃあリベンジという事だね、と雪が言ったりする。
俺達は頷き合った。
「やろうね」
「そうだね」
「.....よし」
それから俺達は雪代先輩を守りつつ。
そのままリベンジ。
つまり復讐する事にした。
このままでは何も生まれない。
そして安心も出来ない。
「良い仲間に恵まれたもんだな」
「ええ。雪代先輩」
「.....有難う。みんな」
それから俺達は解散した。
そして迎撃の為に色々考える。
ラブじゃなくてもう戦闘態勢だな、と思いながら。
でも立ち向かわなくては生きられないしな。
そう考えながら。
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