第52話 須崎と定森の訪問
須崎智子。
俺はこの女にかなりの因縁がある。
散々振り回された挙句だが。
それは簡単にいえば.....イジメの因縁。
しかし須崎は勇のせいでかなり地に落ちていた。
俺はその須崎の事を聞きながら.....定森先生に心配げな言葉を掛ける。
だけど須崎は更生できると。
定森先生は言っていた。
俺はその言葉を.....今は信じようと思い。
須崎に前から見れる時が来るのだろうか、とも思う。
そう考えながらコンビニで商品を見る。
「凄いね。定森先生。まさかだよね」
「.....そうだな。衝撃的だよ」
「.....何で引き取ろうと思ったんだろう」
「.....正直俺にも分からん。.....だけど.....きっとだけど大丈夫だとは思う。定森先生だから.....多分」
「.....でも幾ら信頼しているからって危ないような。.....だって.....須崎ってお兄ちゃんをイジメていたんだよね。許せない。絶対に許さない」
俺は夜空の強い怒りを見ながら。
だな、と答える。
そして夜空はこう言った。
でもそうやって堕ちてざまあって思ったけど。
そういうのは違うんだね、とも。
「.....そうだろうな。定森先生にとっては違うんだろうな。きっと」
「.....だよね。.....うん。.....優しいね。本当にあの先生。.....お兄ちゃんを導いただけあるね」
「でも正直俺も不安だよ。ごめんな。0では無いんだ」
「.....当たり前だね」
そうしていると客の対応をしていた明日香さんが寄って来た。
聞きましたよ、と、だ。
少しだけ真剣な顔をする。
俺は.....その顔を見ながら笑みを浮かべる。
そして切り出した。
私も絶対に許せないです、と、だ。
「いっすー先生をイジメるなんて途轍もない悪党ですね!」
「.....まあそうだな。お前が怒るのも納得だ」
「.....いっすー先生は.....良い人です。.....だから絶対に絶対に許せないです」
「.....有難う。明日香さん」
「.....みんなもそう思ってます。絶対に。だから.....更生してもらわないと困ります。.....いっすー先生の為にも多少は苦労してもらわないと」
それは確かにな。
そう思っていると.....コンビニのドアが開いた。
それから.....定森先生と須崎が入って来る。
俺は驚愕しながらその姿を見る。
「.....こんにちは」
「.....どうしたんですか?定森先生」
「.....えっとですね。.....須崎さんが話したい事があるそうで.....。家に行ったら居なかったのでここならと思って来ました。ね?須崎さん」
「.....」
須崎は顔が歪んでいる。
そして死んでいる。
俺はその姿を見ながら.....眉を顰める。
明日香さんもみんな眉をひそめた。
それから須崎を見る。
「正直言って俺はお前が捕まると思わなかったよ。.....迷惑掛けるなよ。その人に」
「.....」
「.....何も語らず、か。.....まあそれならそれでも良いけどな。裏切るなよ」
「.....アンタに言われなくても」
そして須崎は踵を返す。
それから去って行く。
俺はその姿に溜息を吐きながら苦笑している定森先生を見る。
定森先生は、あの子はイスカ君。貴方に、ごめん、って言ってました。
だけど.....まあ心が籠っては無かったんですが。
と定森先生は笑う。
俺は、そんなもんですよアイツは、と苦笑い。
「.....でも.....また会えて良かったです」
「.....定森先生。お気を付けて。そして.....ご迷惑をお掛けします」
「.....今から少しだけ遠出します。.....須崎さんの為に。その挨拶でした」
「.....そうなんですね。.....有難う御座いますわざわざ」
そうですね、と笑みを浮かべた定森先生。
そして、私が居なくてももう君は自立出来そうですね、と柔和になる。
俺はその言葉に、まだまだひよっ子ですよ俺は、と言う。
でももう大丈夫ですよ、を定森先生は笑顔などを浮かべた。
「君は過去に向き合い。そして今も見ている。.....君はもう無敵です」
「.....そう言ってくれるだけ有難いです。俺は」
「.....千佳さんも周りの皆さんも。みんな大切にしてあげて下さいね」
「定森先生。本当に有難う御座います」
そして定森先生は去って行った。
須崎と共に、だ。
俺はその姿を静かに見送りながら。
夜空と明日香さんを見る。
「全く。お兄ちゃんは甘い」
「そうそう。甘いです」
「.....まあな。すまん」
「.....私だったら殴ってる」
「私も」
そう言うなよ、と俺は何度目か分からないが苦笑する。
そして溜息を吐いた。
そうして俺は、何か食いに行くか夜空、と見る。
明日香さんも見た。
「明日香さん。また今度どっか行こう」
「.....ですね。私は仕事なので。.....奪ったら駄目だよ?夜空ちゃん」
「そんな事しないって。明日香」
それからクスクスと笑い合う2人。
俺はその姿に.....少しだけ笑みを浮かべながら。
須崎と.....定森先生の事を思った。
彼女達なら安心かもな、と思いながら、だ。
須崎の事を任せれる気がする。
「お兄ちゃん。.....須崎は変われるかな」
「.....そう思いたい。俺は」
「.....だね」
俺達はそう言いながらお菓子とか買ってから。
そのままコンビニを出てから明日香さんに別れを告げてカフェに向かう。
そのカフェとはこの前、創られたカフェだ。
そこに向かっているのだが.....。
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