第3話 合コンの計画(編集中)
俺、山寺イスカ人生をは思い返すとそれなりの人生を歩んでいる。
別れもあったし出会いもあった。
絶望も有ったし奇跡もあった。
だから.....人の気持ち自体は思った以上には理解出来るのかもしれない。
定森先生との出会いとか、だ。
俺はそんな事もあり。
精一杯人に優しくしよう、と思えたのだ。
その為に雪さんを絶対に後悔させない様にしたいのだ。
ガッカリさせたくないのだ。
考えながら俺は必死に雪さんの為に動いていた。
計画を立てなければ。
雪さんの為に、だ。
そんな感じで居ると今日も勉強を教えた後、雪さんと草薙さんに見送られる。
その時だった。
雪さんが駆け出して俺の所に来た。
「山寺先生」
「.....どうしたんだ?雪さん」
「有難う御座います。山寺先生の様な素晴らしい先生に当たった事に私、本当に嬉しく思っています」
「.....そう言ってもらえると家庭教師をやっている意味がある気持ちになるよ。有難うね雪さん」
「はい。先生」
すると雪さんは、でも山寺先生を良い人と思っているのは実はそれだけじゃ無いんですけどね、と笑みを浮かべる。
俺は首を傾げる。
そして俺をジッと見てくる。
それからゆっくりと口を開いた。
山寺先生は私と似ているから、です。
と、だ。
俺は見開く。
「山寺先生。私ね。イジメられていました」
「.....え?」
「.....私は容姿端麗なのが気にいられなかったんです。そして.....好きだった男の子を傷付けました。.....その時に救ってくれたのが夜空ちゃんでした」
「夜空が?」
「.....はい。夜空ちゃんだったんです。私は臆病だった一歩を踏み出せたんです。絶望だった黒い光を明るい光にしてくれたんです。ストライプのリボンは私があげたものです」
「.....」
そんな秘密が.....あったんだな。
ニコッとまるで大地が七色で彩られていく。
俺は.....見開きながら、そうなんだね、と答える。
アイツの.....事.....見直した気がした。
俺は雪さんに向いて笑顔になる。
それから俺を、先生。貴方ももしかして、と言い掛けた。
俺は雪さんを見る。
すると雪さんは首を振った。
そして俺に笑顔を見せる。
止めたのだろう、聞くのを、だ。
俺はそんな配慮をしてくれた雪さんを見て俺は草薙さんに向いた。
そうしてから頭を下げる。
それではまた来ます、と、だ。
すると話を聞いて様な草薙さんが何かを取り出した。
「これ持って行って下さい。先生」
「え?これは何ですか?」
「お菓子です。何時も出しているお茶菓子を作ってみたんです」
「.....そんな。こんな配慮してもらわなくても.....。貰って良いんですか?」
「全然大丈夫ですよ。先生にはお世話になっておりますので。優しい先生で嬉しいです。私も.....」
草薙さんはお淑やかさで柔和になる。
わざわざお菓子を下さって申し訳ないな。
思いながら俺は.....頭を改めて深々と下げる。
そしてお礼を言いながらそのまま玄関をの門を開けた。
それから頭をもう一回下げる。
「失礼します」
「はい。また宜しくお願い致します」
「先生.....またね!」
俺は雪さんに手を挙げて。
そして草薙さんに、はい、と返事をした。
それから俺は門を閉めて横の座席に置いた紙袋に入ったお菓子を見る。
そうしてから草薙さんと雪さんが家の中に去って行ったのを確認してから天井を見上げる。
そうだったんだな、と。
何だか嬉しい気持ちの反面。
複雑だな、と思える。
まるで.....花が咲く様だが.....。
俺は思いつつ新鮮な気持ちで.....前を見た。
そうだったんだなって思いつつ、だ。
☆
「さて雪さんの苦手分野はこの辺りとこの辺りだな。.....ここを構築して.....」
夜になった。
風呂に入って食事をしてから部屋でずっと籠ってから雪さんに教える勉強法を構築しながらしているとドアがまたノックされた。
今日は流石に母さんか、と思いながら返事をする。
はい、と、だ。
するとゆっくりドアが開いて.....何故か夜空が顔を見せた。
ふあ!?!?!
ど、どうなっているんだ!?
「.....イスカ」
「.....な、何だ。2日連続って有り得ない.んだが.....」
「.....今日はどうだったの。家庭教師」
「.....あ?ああ。まあボチボチだが.....何だよ一体。お前がその。また来るとは思わなかったんだが.....」
「私が来ておかしいの?」
いやいやおかしいだろ。
だってこの今までそんな事なんて無かったのだ。
これは天地がひっくり返る程におかしいと思うんだが。
取り敢えずはそうだな。
地球の終わりが差し迫っていると言えるかもしれないぐらいに、だ。
俺は青ざめながら部屋に入って来る夜空を見る。
気持ちを整える為に咳払いをした。
「.....まあそれはそうとして夜空。何の用だ」
「.....用は無いけど.....というか雪の事を聞きたいと思って」
「.....そうか。あ、夜空」
「.....何」
聞きたい事があった。
思いつつ俺は顔を上げる。
それから.....夜空を見る。
そして笑みを浮かべる。
お前.....イジメっ子から雪さんを救ったんだってな、と。
すると夜空は見開きながらプイッとそっぽを向いた。
「それが何」
「.....頑張ったな」
「.....別に。そんな事。.....当たり前の事をしただけだし」
「.....それでも、だ。誰にでも出来る事じゃない」
「.....」
夜空は俺を見ながら.....真顔のままだったが。
嬉しそうな感じを見せる。
その姿を見つつ.....俺は手を広げた。
「しかしな。雪さんとの間にそんなに何も起こらないって」
「そうかもしれないけど気になる」
「.....」
いやいや。
しかし何故こんなに夜空はやって来るのだ。
意味が分からないが.....とため息混じりに思っていると電話が掛かってきた。
その相手は.....飯田健介(いいだけんすけ)。
雪の家庭教師をしている時にメッセージを寄こした俺の友人だ。
大学の友人の電話に夜空に向く。
「すまん。電話出ても良いか」
「良いよ。私、部屋の中見ているから」
「.....!?.....いや、まあ良いけど.....」
俺は驚愕する。
何でそんな事をする意味が?、と思いながらも健介の電話に出た。
そして、健介。すまん。遅くなった、と話す。
すると健介は相変わらずの野太い声で電話で話して来た。
ラグビーやっているのでなのだろうけど野太い。
『イスカ。お前。何でメッセージくれなかったんだ』
「忙しかったんだよ。すまん」
『ああ。そう言えば家庭教師始めたんだっけか。.....学費の面で。大変だなお前も』
「.....そうなんだよな。御免な。マジすまん」
成程な、と健介は答える。
俺は、でもそれは良いんだけど何の用事だったんだ?、と聞いた。
すると健介は、ああ。えっとな。今度女性と出会いの無い俺達で合コンをやろうと思っていてな、と話す。
俺は健介に見開いてから、そうなのか?、と言葉を発した。
すると健介はこの様に言ってくる。
『それで合コンの参加者を募っているんだが.....お前も加えたから宜しく』
「いや。お前!?勝手に加えるなよ.....マジか」
『恥ずかしいからお前のサポートが必要だ。俺はシャイなんだ』
「.....だからといえ.....いやお前.....」
マジかコイツは.....。
しかし成程な。合コンか。
確かにずっと童貞だしな俺も。
そろそろ彼女を探しても良いかもしれないな。
思いつつ顎に手を添える。
目の前の夜空はベッドで漫画を読み始めた。
俺はそれを見ながら、分かった。じゃあ今度参加する、と返事をする。
4月23日.....今週の土曜日に開催だ。宜しく、と健介は返事をした。
俺は、分かった、と返事しながら、すまん。家庭教師の課題作ってるから、と話す。その言葉に健介は、お前の課題もこなせよ、と苦笑いだろうか言葉を発した。
「わかってるさ。有難う」
『おう。それじゃ一旦切るな』
「じゃあまた明日な健介。分からない事が有ったら聞けよ」
『ああ。勉強熱心の奴に聞くさ』
そして俺は電話を切る。
それから夜空を見ると夜空は顔を上げていた。
夜空は、誰からの電話だったの、と顔を上げる。
いやコイツ。何でこんなに馴染んでいるんだ.....?
思いながらも俺は.....返事をした。
「今度合コン行くんだ。土曜日に。すまないけど土曜日は予定が埋まるから」
この言葉にピクッと夜空が反応した。
そして漫画の本を閉じてから。
起き上がって来る。
な、何だいきなり。
俺は考えながら夜空を見る。
夜空はジト目になる。
「.....ふーん。.....別に良いけどこんなに可愛い義妹が居るのに合コン?ふーん.....」
「お前は妹だろ。恋愛対象じゃ無い」
「あっそ。.....別に良いけど.....」
声が小さい。
何を言っているか分からないんだが。
思いながら、何を言っているんだ?、と夜空に聞き返すと、うっさい!!!!!、と
言われてそのまま部屋に戻って行かれた。
俺は???を浮かべて唖然とその場で立ち尽くすしか無く。
目をパチクリした。
何だよ一体?
「.....っと。ヤバい。課題課題」
直ぐに俺は雪さんの課題作成に取り組んだ。
しかし合コンか.....どんな子が来るんだろうな。
思いつつ俺は.....少しだけ期待を持ちながら。
そのまま勉強を重ねて計画を立てた。
☆
「うっす」
「おっは」
大学の1時限目。
俺は教室で.....猿島健介(さるしまけんすけ)に会う。
相変わらずのガタイだ。
顔立ちはかなり厳つくそして.....体格がデカい。
身長は180センチ。
俺の上だ。
顔立ちとしてはイケメンの部類に入ると思う。
成績優秀だ。
「にしてもお前も凄いな。対面式の教師になるなんて」
「アルバイトだけどな。ハハハ」
「それでもシャイな俺に取っちゃ無理だ。ハハハ」
「お前って本当に内気だよな」
健介は相当な内気だ。
こんなにガタイが良い癖に、だ。
俺は.....苦笑いで健介を見る。
ソウシテイルト.....石鹸の香りがした。
そして目の前に女性が現れる。
「なんの話をしているの?」
速水千佳(はやみずちか)だった。
19歳の俺達と同学年の女性だ。
首までのゆるふわウェーブに茶髪。
そして.....可愛らしい顔立ち。
これもまた美人の部類に入ると思う。
イヤリングをしており、ジーパンを好んでいる。
俺達と友人といえる存在だ。
「ああ。聞いてくれよ。健介のシャイ度」
「え?アハハ。健介君も大変だね」
「そ、そんな事は無いっす」
「そこがシャイだな。お前」
「煩いな.....イスカ」
そんな会話をしながら.....居ると。
速水が俺に向いてきた。
そしてニコッとする。
聞いたよ?今度.....合コンするんだってね、と。
それからもう一つ、家庭教師をし始めたって、と。
俺は見開きつつ、ああ、と答えた。
「.....合コン、私も参加するからね」
「.....え?そうなのか?」
「俺が呼んだ。.....何となく」
「アホなのかお前は。何処までシャイなんだ」
アハハ、と笑い合う俺達。
その中で、でも噂に聞いたけど.....。とっても可愛い女子高生だってね?家庭教師。
と速水が地雷を踏んだ。
ちょ、それ内緒にしていたのに。
そうしていると、ハァ?!、と周りが騒ぎ始めた。
「そんなやったら俺もカテキョーになってやるわ!!!!!」
「羨ましいわ!!!!!ざけんな!!!!!」
「死ねよ!山寺!」
だからこうなるのが目に見えるからよ。
俺は額に手を添えてブーイングを受けながらため息をまた吐いた。
健介も、ハァ.....、と傷付いた様に俯く。
面倒臭い.....。
「.....変な事はしてないんだよね?」
「.....する訳無いだろ。そんな馬鹿な事を」
「だったら良し、うん」
「.....?」
一瞬、速水が悲しげな顔をした。
だが直ぐに何時もの顔に戻る。
俺は首を傾げながら.....見ていると。
周りから首を絞められた。
何すんだ!!!!!
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