第11話 謎の通信妨害ーメガドライブが聞き、喋る
1990年某日、米軍のスペクトラム拡散秘匿通信回線に、謎の音声が割り込んで来た。
それは、通信内容をデタラメに鸚鵡返し(オウム返し)し、命令指示の変更や取り消しを行ったりして、指揮系統を大きく混乱させた。
NATO軍はセガ技術陣に解析をさせたが、手に負えずセガの親会社であるCSK(現在のSCSK)の技術スタッフまでが呼ばれて全力で解析にあたった。
結論としては、メガドライブの53MHzのクリスタルの発信をアナログの周波数逓倍回路(アップエッジトリガ、ダウンエッジトリガから再度パルスを作り出す)と分周回路を自在に組み合わせ、ほぼ米軍のスペクトラム拡散通信の全チャンネルにアクセスできる技術を手にしたのだろうと予測された。
メガドライブにDAC(DAコンバータ)は搭載されているがADC(ADコンバータ)は搭載されていないのにどうして通信傍受と音声認識が可能なのか、という指摘に関しては、セガの電気回路設計部門からおそらくはステレオヘッドホン端子に使っているオペアンプを使ってコンパレーターを作り、2台のメガドライブを協調動作させ、1台のメガドライブがDACを使ってのこぎり波形を発生させてCPUと合わせて逐次比較型のADコンバーターをソフトウェアで実現させているのだろうという「推測」が報告され、NATOのラボでも再現実験が行われ、ソヴィエトが入手できる限られた半導体でも実現可能であることが確認された
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