星屑チーズケーキ カフェから始まる物語2
ゆうき
第1話
日曜日の昼下がり。私「山戸留美」はこの心置きなく羽を延ばせる時間、お気に入りの小説を誰にも邪魔されることなく読み耽っている。傍らには大好きなチーズケーキとコーヒー。この上ない幸せなひとときだ。
私の座っているテーブルの近くには華やかな、恐らく女子大生のグループがキャッキャと恋愛談義に花を咲かせている。
(あのこたちは苺系のケーキかな)
テーブルをみると予想通り、ショートケーキ、フルータルト、フランボワーズムースなど色鮮やかなケーキが並んでいる。その隣のパソコンを叩いている女性の前にはティラミスだ。確かイタリア語で「私を元気づけて」という意味だった。休日も仕事をしている自分を励まそうとあのケーキを選んだのかしら。
もちろんこれは全て私の頭の中の想像に過ぎない。でも何となく当たっているようなときがあって楽しいのだ。ちなみに自分が何を選んだかといえば
――チーズケーキ。
そう。これが私の断固として譲れない、マイ・ベスト・セレクション・フォーエバー。あの飾り気のない見た目。どの角度でフォークを入れても倒れにくい安定感。そしてフルーツ系ケーキにありがちな「苺ゾーン」「キュウイゾーン」などの当たり外れ感のなさ。これが、私が一重にチーズケーキを愛する理由である。(ちなみに、レアとベイクドのどちらか選べといわれたら、悩みに悩むがベイクド派だ)このケーキに象徴されるような心にさざ波が立つことない<平凡な日常>。これが私の目指す理想の日々である。
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