大勇者と悪意2
「何だったんだこのガキ」
かなり豊かな胸から大人の女性かと思ったが、薄汚れた顔を拭いてよく見ると、まだ幼い顔立ちだった
「それにしても、臭いが・・・」
体を洗っていないのか、体臭がかなりきつい
仕方ないからまずは体を洗ってやることにした
「水魔法と炎魔法で・・・、懐かしいな、一世界の勇者だったころはこうやってお湯を造って簡単な風呂に入ってたんだよなぁ」
土魔法や木魔法も組み合わせ、浴槽を用意した
そこに気絶している少女を入れて洗っていく
「うわきったな!」
湯船につけた瞬間汚れが浮かんでくる
相当に体を洗っていないようだ
「まったく、水浴びくらいしないのかこの子は」
なんどもなんども石鹸で洗い、ようやく汚れが取れると、そこから可愛い少女が現れた
「可愛い~」
アンが思わず口に出すほど彼女は可愛い見た目をしていた
輝くような金色の、少しウェーブのかかった髪、しなやかな肢体、これほどの細い体にどこにあのような筋力があるのか分からないほど華奢だ
「何なんだこの子は、なぜこの筋力であそこまでの力を? 魔力を使った気配もなかった。強化魔法にしても、強すぎる」
「スキルかな?」
「その線が高いと思う。しかしこれほど身体を強化するスキルなんて見たことないぞ」
彼女の身体能力は隕石が衝突するほどのエネルギーにまで上がっていた
「アン、このスキルどんなのか分かるか?」
「うーん、神々のネットワークにものってないよ。もしかしたら、新世代っていう子かも」
「新世代、か。確か転生者や召喚者や転移者、全ての世界に危機が訪れたために生まれてきた、力ある者達」
リディエラや白黒鬼神、新たな神
様々な場所、様々な時に生まれたが、彼らは世界が生み出した
大きな悪意に立ち向かうために
「この子、どうするの?」
「取りあえず目が覚めたら話だけでも聞いてみるか。話はできるみたいだったしな」
三人は彼女の回復を待ち、正体を調べることにした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます