メルカとの旅2
屋敷の主人はなんと小さな女の子
可愛い顔だけど、無表情だから少し不気味
「この方が我が主、テンシュ様です」
「・・・・」
何もしゃべらない
「テンシュ様は恥ずかしがり屋でして、しかしながらあなたがたのおこしを非常に喜んでおられます」
コクリとうなづくテンシュちゃん
心なしかその表情も明るく見える
「主様は今宵は楽しんでいってくださいとおっしゃっています。夕食の後は部屋を各自にご用意しておりますので、そちらでお休みください」
「あ、私とお姉ちゃんは一つの部屋で大丈夫です」
「じゃあ私はその部屋で一緒に寝まーす」
「それはだめです。ハクラの寝顔は私だけのもの、そこだけは譲れません」
「はぁ、それじゃあしょうがないか」
夕食はとんでもなくおいしかった
コックさんが腕によりをかけて作ってくれたらしい
それとテンシュちゃんの身の上を聞けた
執事のおじいさんが言うには、数ヵ月前にテンシュちゃんの両親は不慮の事故でなくなってしまったらしい
不審な点はなく、完全に事故死
テンシュちゃんは屋敷にいる使用人たち以外に天涯孤独となってしまった
ここの使用人たちは皆テンシュちゃんの両親に音がある人達ばかりで、その娘であるテンシュちゃんに心から仕えてるみたいだ
それは間違いない
大きなお風呂に入って、僕らはそれぞれの部屋で眠りについた
部屋をあてがわれた翌朝のこと
「そんな、まさかこんなことになるなんて」
「嘘、でしょ?」
「だめです、こんなこと、お姉ちゃん、これって」
「ええ、恐らくですが、犯人はこの中にいます!」
ドーンと指さすクロハさん
使用人たちもみんな集まっている
そして、なんと、あのメルカちゃんが血まみれで、あてがわれた部屋の床で倒れていたんだ
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