守り人20

 リルカクローンは敵意もなく攻撃してくる

 彼女に取って向かってくる敵を殺すのはさも当然のことであるかのようだ

 ただ世界を壊すのに邪魔だから殺す

 感情が全くないため何のためらいもなく、常に一つ一つの攻撃が致死性を帯びていた

「くっ、主様の顔でそんなことをするなんて許せないのだ!」

 シシララは全ての攻撃をSSRRで空へと受け流している

 一撃でも街のどこかに当たれば一瞬で街がなくなる

 そんな攻撃を何十発も受け流しているためさすがの彼女にも疲労の色が見え始めた

「じり貧なのだ。でも負けたらだめなのだ。こいつはここで止めないとダメなのだ!」

 SSRRをバチンと地面に打ち付けて空間を狂わせるとリルカクローンと共に別の場所へと移動した

「ここに人はいないのだ。思いっきりやれるのだ!」

 街を壊さないよう注意を払いながら戦っていたため負担となっていた

 だが今この場なら半径数キロにわたって人がいないことは確認できている

 シシララはSSRRをしっかりと握り直す

「本気の本気でお前を倒すのだ。偽主様!」

 ググッと地面を踏みしめてリルカクロ―ンの上に飛び上がると棒を頭に振り下ろす

 少しかすっただけでもその全てを狂わせられる棒

 どうやら危険を感じたのか受け止めずに避けるクローン

「ちっ、感がいいのだ」

 当たった地面はぐしゃりとへしゃげ、グネグネと動きやがて消滅する

 すぐにその場から移動してクローンの後ろに回り込むと横に薙いだ

 そこを飛び上がってかわし、手から力を放って一瞬反応の遅れたシシララの右肩に直撃させる

「あぎっ、くぅううう、痛いのだ」

 右肩がえぐれて多量に出血する

 そこに棒を当てて今怪我をしたという事象を狂わせ、元に戻す

「これは結構体力を使うからあまり多用はできないのだ」

 戻った右肩をぐるぐる回し、棒を突き出す

 一切触れることなくそれを避けてまた手からの光で攻撃してきた

 今度は拡散型のようだったが、一瞬でそれを見極めたシシララは棒で受け流しつつ回転して棒を振り回した

 ビュオッという風を切る音がしたのちクローンの足を少しかすめた

 その結果足がぐしゃりと突然腐り落ち、そこから段々と体を腐食が侵食していく

 だが彼女は冷静にその足を切り落として片足で立ち上がる

「判断が早いのだ。なるほど、感情がないから機械的な判断をするのか」

 だが立ち上がった時の一瞬の隙をついて伸ばした棒を思いっきりその顔面に打ち付けた

 そして彼女の頭はぐるんと回転し転がり落ち、地面に当たった瞬間ばさりと崩れ落ちた

「ふぅふぅ、くっ、こっちも無傷とはいかなかったのだ」

 さの顔面に棒が当たる瞬間、クローンは攻撃を仕掛けていた

 シシララの腰から下がない

 その傷口に棒を当てて何とか回復させる

 かなり消耗していたため下半身の治りは遅かったが、そのまま寝転がって回復を待つことにした

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