神と鬼神10
妖精のような女の子ってことで仮にこの子をフェアリスちゃんと呼ぶことにした
この子の言ってる言葉は相変わらず不明だし、感情の表現が喜んでいるのに怒っているかのようだったりとか、困っているのに笑顔だったりとか、感情の表し方が僕らとは違うんだ
でも観察と身振り手振りでなんとかコミュニケーションは取れるようになってきた
それにサニアさんがフェアリスちゃんの言葉を少しずつ解析してくれてるおかげで、僕にもなんとなく言っていることが理解できるようになってきた
「わたし、チガウとこ来た。セヴィラベのベティクラス。アティエッラここにいないのは見つけられない。でも帰るられないことができないから、しょうがない」
ところどころ分かりにくいところもあったけど、どうやら彼女は別の世界?からここに誰かを探しに来たんだと思う
そして今帰ることができない、と
「大丈夫だよフェアリスちゃん、きっと見つかるよ」
「ありがと! そのフェアリス、なに?」
「君の仮称なんだけど、ダメかな?」
「んーん、フェアリス響きすき、私名前、無い。これからフェアリス!」
怒ったように喜ぶ感情が難しいフェアリスちゃん
でも可愛い
「それにしてもこの子は不思議です。妖精なら普通魔力回路があるはずなのですが、この子にはそう言ったものが一切ありません。魔法が使えないはずなのです。それなのに宙に浮いている。それと言葉と感情の違い。世界、大世界の外から来たとしか考えられません」
前にも聞いたけど、様々な世界が集まって僕らの大世界が成り立っている
そんな大世界もいくつかあって、リルカさんみたいな創造主の子供達が管理しているらしい
そんな他の大世界からこの子は来たのかもしれない
ども不思議なのはこの子の力じゃどう考えても大世界の壁を超えられない。それどころか普通に世界の壁も一人じゃ超えられないはずなんだ
一世界の一住人でしかない
一体何があってどうやってここまで来たのかが、本人に聞いても不明だった
なにせこの子はその探している誰かを追っているだけだと思っているから
世界を飛び越えているのはその子を探しているから、つまり探してるんだから移動出来て当然だと思ってたんだ
つまり、この子は僕らでも認識できないような不思議な力を持っている可能性がある
「フェアリス、アティを探すから、もう行くね」
「待ってください。一緒に行きませんか? きっとみんなで探したほうがすぐ見つかりますよ」
「ほんと!? フェアリスも一人寂しい。一緒行きたい」
そこでサニアさんが僕にそっと耳打ちした
「この子がウルの手に渡るのは断固として防がなければなりません。リディエラちゃん、守ってあげて下さいね」
「はい」
得体のしれない力を持ってるかもしれないんだから当然だね
でも探してるアティって子、見つかるんだろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます