想像で創造する女神1

 救世界に救世の女神メシアが帰還してすぐのこと、神々の世界から一柱の女神が旅立った

 彼女は空想の女神プリシラ

 とある下位世界の創造主から生まれ落ちた異質の上位女神

 彼女は生まれてすぐ救世の女神メシアに拾われ、彼女の養女となった

 そのためか人々を救うことに熱意を燃やす最若手の女神である

 少し前までは一番若い女神としてルニア、サニアの元で女神としての徳を積んでいたのだが、この度女神として最上位の神である天の神ラシュアに認められたため、旅立つこととなった

 もともとメシアの元で研鑽を積んでいたためその成長は目を見張るものがあった

 というのも彼女の力はもっと磨けばかの創造の大神にも匹敵するほどで、恐らく創造の大神の因子を受け継いでいるであろうことがラシュアの分析の元分かっている

 そんな彼女には二体の機械人形の友達と数柱の女神の友達がいた

 機械人形の方は自らの力で生み出した初めての友達で、女神の友達は、光の女神イナミリア、能力の女神サニア、破壊の女神ルニア、機械の女神マキナと愛の女神アズリア、そして力の女神エイシャである

 かつての大きな戦いの際、彼女たちは協力して事に当たった

 そのため絆が深い

 今回の事件でも彼女たちは様々な世界に散らばってウルと戦っているのである

 そしてこの度遅ればせながらプリシラも戦いへと赴いたのであった

 そんな彼女は現在友達である機械鳥と機械狼と共に灼熱の砂漠を歩いていた

「熱いねイグルス、ウルフェン」

「ピュイ」

「ウォン!」

 二体はしっかりと自我があるらしく、非常にプリシラに懐いているようだ

 直射日光をイグルスと呼ばれた機械鳥が日陰を作り、プリシラを守っている

 そしてウルフェンの方は彼女を背に乗せていた

 砂漠は広く、イグルスが空から街を探してきたためその方角に向かってはいるのだが、ウルフェンの足では砂に埋まってしまうためなかなか進めない

「よし決めた! 新しいお友達を作りましょう!」

「ウォン!」

「ピュイピュイ」

 二体とも同意している

 プリシラはウルフェンから降りると自分の権能を行使した

「さぁ生まれてきて、機械蛇ちゃん!」

 その場に大きな機械のコブラが生まれた

 その機械蛇はスルスルと砂の上を滑り、プリシラに嬉しそうにすり寄る

「あ、名前つけないとね。そうだなぁ・・・、君の名前はスネーリーね!」

 スネーリーと名付けられ、嬉しかったのかプリシラに巻き付いてペロペロとほほを嘗めた

 はたから見れば捕食前の映像である

 スネーリーは背にウルフェンとプリシラを乗せて走り始めた

 シュルシュルと砂の上を滑って行くためウルフェンが走るよりもはるかに速い

 あっという間に街についてしまった

 だが街の前に来たとたん矢が大量に飛んできてプリシラたちを襲う

「きゃっ!」

 その攻撃がプリシラをかすめたため機械人形たちは怒り、街の前で威嚇を始めた

「クソ! 何だこの魔物たちは、矢が効かないだと!」

 また攻撃されそうになったのでプリシラが慌てた

「こら待ちなさいあなた達!」

 攻撃しようとした相互がその声で止まる

 機械人形たちはプリシラを守るように彼女の横についた

「その、魔物たちは、君が使役しているのか?」

「魔物? この子達は魔物じゃなくて私の友達だよ」

 街の者が怖がっていることが分かったプリシラはその三体を力を使って手のひらサイズにまで小さくした

 街を守る兵たちはそれを見て一安心したのかプリシラに近寄ってくる

「すまなかった、危険な魔物だと思って攻撃してしまった」

「いいよ、私も突然来ちゃったわけだし」

 無事街についたプリシラは彼らの案内の元宿へと到着

 そこで一息つくことにした

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