アモンの旅13

 第三施設

 かなりの数のグレイの見張り達

 その誰もがハードアーマーのようなもので武装しており、見えないものでも察知できるような機能を搭載している

 それを知っていた王女はもうすでに姿を現していた

「ここからはエランダの力が通用しません。わたくしと共に強化してある力でしたが、あれは新型ですの。間違いなくすでにこちらを捕捉しています」

 その言葉通りに数体のハードアーマーがこちらにガシャガシャと走ってきた

 サイレンを鳴らしているためそれに気づいた他のハードアーマーも直駆け付けるだろう

 それらが合流する前にアモンは今来たばかりのアーマー部隊の動力部を壊し、中のグレイも無力化した

「す、すごいですわね。わたくしたちは一体を倒すのもせいいっぱいですのに」

「鍛えてるからね」

 あっさりとアーマーを倒したアモンはレディナと共に施設に入る

 中は入り組んでいるわけでもなく、第一、第二施設と内部構造的には変わらない

 しかし警備の数は先ほどとは比べ物にならず、中にはウルと思われるローブを着た者もいた

 だが大幹部でもない限りアモンの敵にはならず、あっさりと突破できた

 各部屋を解放し、囚われていた精霊を助け出していくアモン

 精霊達は誰も彼もが美しく、助け出してくれたアモンに祝福としてキスを交わしていった

 能力ではないが、アモンの力を底上げしてくれる祝福

 元気の出たアモンは仲間の元を目指し、施設の階段を駆け上がって行った

 どうやら上に行くほど上位の精霊が囚われているらしく、警備もそれなりに厳重になっていた

 中にはかなり厳重なロックがかけられた部屋もあったが、ほんの一ひねりで壊してしまうアモン

 その光景にレディナはただただ感嘆の声を上げていた

 そして最上階から一階前

 そこにはレディナの姉とも言うべき四大精霊が囚われていた

「アニフィス! ハリュオン! ミューテ! エレゼナ!」

 炎の四大精霊、サラマンダーのアニフィス

 風の四大精霊、シルフのハリュオン

 水の四大精霊、ウンディーネのミューテ

 土の四大精霊、ノームのエレゼナ

 四柱とも少し衰弱はしているものの、消滅しそうなほどは弱っていなかった

「良かったですわ、お姉様たち、わたくし、心配で」

 泣き出すレディナ

 そんな彼女をそっと抱きしめて再会を喜ぶ四大精霊

 囚われてさえいなけらば四大精霊と精霊王女、この場から簡単に逃げれるだろう

 ここは任せてアモンは最上階へ急いだ

「待っててくれみんな! すぐ助け出す!

 囚われた仲間たちまでもう少し、目と鼻の先にまで迫っていた

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