世界に選ばれし者たち14
エーテたちと別れて上空をゆくアモン
もともと熱にかなりの耐性があった悪魔状態のアモンならこの程度の温度は小春日和程度である
それよりも時間がかかれば仲間たちに危機が及ぶ
アモンは焦って上空から休めそうな場所を探すが、街どころかオアシス、果ては岩陰すらもないこの世界
これ以上飛んでもイタズラに仲間たちが消耗するだけだとふんだアモンは一旦仲間の元へ戻ることにした
この世界から一刻も早く抜け出すために
仲間がいるはずの地点、そこには誰の姿もなかった
動かないとエーテが言っていたので動くはずがない
それなのに姿は見えなかった
地点を間違えたのかもと思ったが、そこにはレノンナが持っていた水の入った袋とりえの大事にしていたキーホルダーが落ちていた
「ここで間違いない、皆いったいどこへ?」
大切な水が入った袋と宝物であるキーホルダーを残していくはずがない
アモンは心配になり周囲を探索したが、誰の姿も見当たらなかった
エーテたちも突如として姿を消してしまったのだ
一人になってしまったアモン
泣きそうになりながらこの世界中をみんなの気配を探って探し続けた
一週間
飲まず食わずで周囲の穴を掘りつくしてみたが形跡すらない
二週間
さらに範囲を広げて砂漠を掘る
人間であったなら数日生きていればいい方だが、悪魔であるため魔力で生きることができるアモン
魔力さえあれば問題なく活動できた
一か月
世界の五分の一を探し終えた
だが人の姿どころか生物すら見つからない
気力ももはや限界となって来た
三か月
この世界にはもはやいないと理解した
いや、始めから攫われたことを知っていたが、それを受け止める心の準備がまだできていなかった
「別世界に行こう。彼らを攫えるということはかなりの力を持っている者たちに違いない」
ここからアモンの仲間たちを探す旅が始まる
仲間が攫われたこの世界はウルの大幹部であるビヨンドという男が作り出した世界だった
彼らはこの世界に誘い込まれたのだ
ビヨンドは創る
そして隠す
それは誰だろうと認知することができえない異放の力
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