神と白黒鬼神25
「このままでは大きさが違いすぎて話しにくいですね」
フラザニアさんはその巨体を変化させ、人型になった
ただそれも大きい
二メートルはありそうな高身長お姉さんになった
「やはりこの姿は窮屈ですが、実体化できた私の姿を見て怖がらせるのも不本意ですから」
フラザニアさんは別世界の氷海竜だそうで、かなりの力を感じる
今までこの世界に来る途中の狭間に閉じ込められていたらしく、僕らみたいな世界を超えれる力を持った人が触れないとそこから出れなかったみたい
狭間に閉じ込められてからそこまで時間は経ってないけど、誰にも見つけてもらえず不安だったようだ
「何度か姿を見せることはできたのですがやはり安定せず、すぐに狭間に戻されてしまいました」
フラザニアさんの表情から心細かったのがよく伝わる
たまたま僕らが来たからよかったものの、このままだったら狭間の世界で一人で寂しく死んでいたかもしれなかった
「それでフラザニアさんは何で世界を渡ったの?」
「はい、私の世界では突如として竜狩りが横行し始め、たくさんの仲間たちが捕らえられてどこかへと連れていかれました。私は救援を呼ぶために竜の秘術を使って世界を渡ったのですが、追手から逃げる際にそのための竜のオーブを傷つけられてしまい、不安定なまま世界渡りをしたのです。そのためこのような結果になったのだと思います」
彼女の世界では竜は信仰の対象で、フラザニアさんは冬を呼ぶ竜としてそこそこ信仰されていたらしい
人々の手助けをするその世界の竜たち
でもどういうわけか竜たちを狩るヒト族が増え、次第にそれは世界中に広がって行った
フラザニアさんたち海竜は空竜や陸竜たちの協力もあってなんとか秘術のためのオーブを手に入れ、海竜代表だったフラザニアさんが秘術を使ったんだ
でも追ってであるマーメイド族(一番フラザニアさんたちを信仰していた仲のよかった種族たちらしい)によって攻撃され、仲間たちがかばって倒れていく中オーブに傷がついた
それでも無理矢理秘術を発動、そしてこの世界にたどり着いた
これは運命かもしれない
僕達に彼女の世界で起こってる問題を解決しろってことなのかも
「リディエラちゃん、この世界にウルはもういないのでしょう?」
「うん、他に問題を聞いたけどフラザニアさんの一件以外は特になかったよ」
うまく運営されているこの世界に一応加護を振りまくことにしたのと、二柱の姉妹精霊にいつでも会えるよう僕とのつながりを設けておいた
これで僕の力でいつでも呼び出せる
その内母さんと一緒にお話しようかな
街に戻るとフラザニアさんのことを報告してから二柱の精霊シーアさんとエリオさんと僕のリンクを繋げる
二柱ともかなり驚いてたけど、彼女らの母でもある母さんと会えることが分かって喜んでくれたよ
「本当にありがとうございますリディエラ様」
「様はやめてって」
「ああそうでした、リディエラちゃん」
「ありがとうリディエラちゃん!」
うんうん、この世界でも問題は片付けれたし、すぐにフラザニアさんの世界に行かないと
一体何で信仰していた竜を捕まえ始めたんだろう?
それに捕まえた竜をどうするつもりなんだ?
まだ何もわからないけど、僕らはフラザニアさんを頼りに彼女の世界へと転移門を繋げた
彼女が竜だと分かるとややこしいことになりそうなので、窮屈だけど彼女には人型でいてもらうことにしたよ
彼女の世界は地球と同じくらいの大きさの世界で、名前をティエンディア
女神ティエンディアの名前がそのまま世界の名前になっているらしい
その女神の眷属がフラザニアさんたち竜なんだって
だから信仰されてたのか
一刻も早く問題を解決してフラザニアさんたち竜が安心して暮らせるようにしないとね
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます