神と白黒鬼神5
「あら、お友達? 司ちゃんと、あなた達は? あらハクラ、ちゃん、よね?」
詩季さんのお姉さんらしき綺麗な女性が迎えてくれた
なんて包容力のありそうな女性なんだろう。テュネ、いやアスラムみたいな人だ
「お母さん、この人たちは私が異世界で出会った友達だよ。それとこっちはハクラちゃんだけどハクラちゃんじゃないかな」
なんと若々しい見た目なのに詩季さんのお母さんだったらしい
なるほど包容力があるわけだ。母は強し
「まぁまぁ、この子は別の世界のハクラちゃんなのねぇ。確かに、性格が全く違うわね」
この世界でのハクラちゃんはどうやら生真面目で、普段のクロハさんに近い性格らしい
うん僕のハクラちゃんと全然違うや
こっちのハクラちゃんは好奇心旺盛で感情の起伏も激しいからね
「それじゃあゆっくりしていってね」
お母さんがおかしと紅茶を置いて部屋から出て行った
で、僕らは聞きたいことを聞くことにした
「それで詩季さん、この世界で何か変わったこと、例えば異世界から人が来たり、魔物が急に暴れ出したりなんてことはないかな?」
「うーん、わたくしも他の子もそう言った話は聞き及んでおりません。司ちゃんはどうでしょう?」
「うん、結論を言うと僕はおかしな話を聞いてるかな」
「あら、わたくし聞いていませんわよ」
「詩季ちゃん昨日まで使節団と一緒に海外にいたじゃない」
「あ、そうでしたわね」
今の詩季さんはどうやらフユノさんになってるみたいだね
「それでその異変とは?」
「うん、えっとね、これを見て」
司さんは通信端末を取り出すと宙に地図が浮かんだ
「こことここ、それからこことここに変な化け物が出始めたらしい。今まで見たことがない魔獣と言うかなんというか」
その化け物は人型に近い姿で、特に襲ってくることはないけど不気味にうねうねと動いて歩き回っているそうだ
とにかく不気味だけど、倒したり危害を加えても襲ってくることはないためそのままにされてる
「と言うわけでその変な化け物を調査しに行こうと思うんですの。危険はないということですし、何をしているのかも気になりましてよ」
「いいけど、そんなに簡単に決めていいの?」
「ええいいんですの。この国のリーダーはわたくしですので」
「「え!?」」
僕達は一斉に驚いて声がそろった
詩季さんどうやらこの国で一番偉いひとだったみたい
昔世界を救った功績とかでリーダーに抜粋されたそうだ
「まぁわたくし一人でしたら無理でしたけど、わたくしには頼もしい姉妹がいますから」
姉妹とは多分体を共有している女性たちのことかな?
確かにそれぞれ性格も考え方も違う四人がいろいろ考えて話し合えるならこれほど心強いことはないだろうね
「では早速ですけど、明日の明朝に出発しますわ。司さん、場所は把握できていまして?」
「うんもちろんだよ。この街から北西にあるエリドラントの森ってとこに一番多くそいつらがいるみたい。距離は少しあるけどテレポートができる詩季ちゃんならすぐいけるよね」
「いけますけど、多くて四人までですわ。わたくしと司ちゃん、残り二人はリディエラちゃんと、ハクラちゃんかしらね。えーっとそのハクラちゃんのお姉さん、と、女神様?は無理ですわ」
「その点に関しては問題ありません。私が転移できますのでリディエラちゃんを捕捉して転移します」
「なるほど、さすが女神様ですわ!」
あ、僕も転移できるんだった
でもまあテレポートって言うのはどんな感じなのか気になるかも
だからそのことは言わずに一緒にテレポートすることにした
そして翌朝
転移とテレポートで一瞬にして化け物ひしめく森へ飛べた
テレポート、魔力を使わないだけで転移と変わらなくてちょっとがっかり、がっかりってのは詩季さんに失礼だけど・・・
そして目の前にはたくさんの人型の泥人形のような気持ち悪い化け物
それらはグネグネ動きながら歩き回ってる
何かを探しているようにも見えるけど、近づいても全く反応がない
触ってみるとやっぱり泥っぽいって言うか泥だ
泥人形まんまだよこれ
一体だれがこの人形を操って、何をさせてるんだろう?
とりあえず一体を捕まえて調べてみることにした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます