人間族の国再び3
古代魔法はまず一つの力を覚えることでそこから応用で色々な魔法につなげていく方式らしい
最初に教わったのは初歩の初歩になるセトラという力を集約したレーザーで、これは先ほどヨウコ様が放ったセロファタの一番威力が弱い古代魔法みたい
これが意外なほど難しくて、今までの精霊魔法や上級魔法なんかとは比べ物にならないほどの習得難度。形になるまで何度も何度も練習したおかげで習得はできそうなんだけど、魔力消費が激しいから一日での習得は無理だったよ
「いやぁ確かに一日じゃ無理だったっすけど、それでもここまで掴んできたならあと少しっす。この魔法さえ覚えればコツが掴めるはずっすから、そしたら順次強力な古代魔法を覚えてもらうんすけど、なんか透けてないっすか? あ、魔力切れっすね。ちょっと待っててくださいっす」
魔力が切れかかってて最早フラフラの僕を置いてヨウコ様はどこかへ飛んでいった
ふと見るとアコ様とトコ様が一緒に遊んでいるのが見える。まるで親子のように仲がいいのは癒される光景だけど、今はあまりにも疲れすぎていてそれを見て体力が回復することはできそうにない
「おまたっせっす~」
ヨウコ様が戻ってくると手には串団子が握られていた。何だろうこれ、魔力が宿ってる
「これは魔力を回復してくれる団子っす。串に刺しておいたから一気に食べるっすよ」
「はい、ありがとうございます」
串団子を受け取ってパクリと食べてみた。うっぷ、何これすごく苦い!
「げぇ、こ、これすごい味で、うぶぅ」
「吐いちゃ駄目っすよ。ちゃんと全部飲み込むっす。あっという間に魔力回復する優れものっすからね」
「うぐぅ、わ、分かりましたぁ」
口の中に何を入れてるのか分からないほど苦くておいしくない団子だけど、食べるごとに体が軽くなっていくのが分かった
凄い回復力で、全部食べ終わるころには僕の膨大な魔力は回復しきっていたよ。まさしく良薬は口に苦しってことだね
「取りあえず今日は休むっす。魔力は回復してるだろうけど無理は禁物なんすよ。とにかくちゃんと身に着けてしっかりと使えるようになることが大切っす。何せ古代魔法より上の魔法は暴走しやすくて周囲にまで危険を及ぼすっす。現にアコさんも身に着けるのは苦労してたんすよ」
「アコ様も修行をしていたんですか?」
「そうっす。リディエラちゃんほどの才能は俺もアコさんもなかったっすから、努力でここまで伸ばしたっす。でもリディエラちゃんは才能があるっす。その上努力すれば必ず俺らなんか目じゃないほどの力に目覚めるはずっすよ」
ヨウコ様の言葉のおかげで僕はこれからも頑張っていけそうな自信がわいてきたよ
そして翌日
再び初歩の古代魔法を完全に扱えるようになるための修行が始まった
今度は少しコツがつかめてきたため前日よりも制度が増している。その上魔力を抑えて節約できる方法までもなんとなく分かって来たよ
「さすがっすね。ここまで呑み込みが早いと教えがいがあるっす。あともう少し威力が上がれば完璧っすね、魔力を込める量を少し上げてみるっす」
的確なアドバイスのおかげで次の一回で僕は完全にこの初歩古代魔法であるセトラをマスターすることだできた
完全にコツをつかんだから魔力ある限りいくらでも撃てそうだよ
「いいっすねいいっすね。あとは俺の真似をして古代魔法を撃っていくっすよ!」
「はい、よろしくお願いします!」
それからの古代魔法習得は意外なほどあっさりとできていった
何せコツが掴めているから、それに沿って同じように力の流れを感じ、力の込め方を少し変えたリ込めるエレメントを変えたリするだけで色々な古代魔法を発揮できるようになった
「もうほぼ完璧っすね。それじゃあ最後に、俺が最初に撃ったあのセロファタを教えるっす。リディエラちゃんの防御魔法には防がれちゃったっすけど、今のリディエラちゃんの力ならあれよりも強力なセロファタを撃てるはずっすよ」
「そうなんですか?」
「リディエラちゃんの魔力はとんでもないっすからね。いやぁその才能が妬ましいっす。とまあ冗談は置いておいて、早速やってみるっす。まずはエレメント全てを込める感じっす」
「こう、ですか?」
「そうそう、さすが呑み込みが早いっす。次に魔力の込める量を調整するっす。そうっすね、セトラの十二倍くらいをイメージするとやりやすいと思うっす」
確かにその通り、言われた通りの魔力量を込めるとあの時ヨウコ様が放ったセロファタと同じくらいの威力になった
「おお、ここまでコントロールできてるならもっと魔力を込めても大丈夫そうっすね。俺のよりもはるかに威力が高くてもコントロールできるはずっす。一度やってみるっす」
「はい!」
今度はさらに魔力を込めてみる。さっきは十二倍込めたから、今度は二十倍くらいでね
それで撃ってみると、案の定とんでもない威力のセロファタが迷宮の遥か向こうにまで突き抜けていった
うわぁ、これはエグイ
「エグイっすねぇ。でもこれでも恐らく足りないっす」
「これでも、ですか・・・」
「まあ気を落とさないでほしいっす。あとはアコさんにお任せして俺は少し休むっすよ。それが終わったらまた俺が大事なことを教えるっすからね。おーいアコさ~ん」
「終わったみたいだな。それじゃあ俺の修行を始めるとしよう。トコ、すまないがしばらく待っててくれるか」
「うん! いっぱい遊んでもらったから大丈夫だっち。リディエラ、頑張るっちよ!」
トコ様に激励されてやる気も十分。やってやりますよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます