馬人族の国1
翌日エルフの人達に案内されながら馬人族の国にやって来た
エルフの国よりもさらに深い深い森の中で空気や魔力がすごく濃かった
エルフの国からはそんなに離れてないし、ここからでも世界樹はみえてるんだけど、恐らくここは魔力場、つまり魔力が溜まる場所になってるんだ
このような魔力場はところどころにあって、僕の故郷である精霊族の国もそうだね
あとは妖怪族の国にもあったはず。まぁ他にもあるけど大概そう言った場所に国はできる
人間族の国も魔力とは違うけど龍脈って言う力の流れの上に造られてるんだよね
「では精霊様、またお会いしましょう」
「ありがとうルニサニアさん」
ルニサニアさんもここまでついて来てくれ、別れを告げてまた来た道を護衛のエルフたちと一緒に帰っていった
「さてハクラちゃん、早速王のところへ行こっか」
「はい、私馬人族にも会ったことないので楽しみです!」
僕も馬人族には会った事が無い
前までは母さんがここに来てたみたいだし、今回から僕がその仕事を引き継がないとね
精霊の一番重要な土地に加護を与える仕事だ
今までいろんなところでやって来たけど、ここにはすでに魔力場があるから今までよりも簡単
その魔力場に僕ら精霊の力を注ぐだけでいいからね
「お待ちしておりました精霊女王さ、いえ、王女様であらせられましたか」
「うん、今回から僕が仕事を引き継ぐから」
「それはそれは、それではさっそくご案内いたします」
出迎えと案内をしてくれるのはこの国の王子でケリウスさん
上半身裸でその肩には弓がかけられている
そういえばケンタウロス族こと馬人族はエルフに負けず劣らずの弓の名手だって聞いた
数百メートル離れた的の中心をも射抜く人もいるらしい
「こちらです王女様、それと迷宮はこの魔力場の地下にございます」
「ありがとうケリウスさん」
お礼を言うとケリウスさんは恥ずかしそうに照れていた
国の外から来る女性を初めて見たらしい
母さんは?って思ったけど、どうやら今までは王様のケイロンさんが対応してて会ったことなかったらしい
つまりこの国も世代交代のために王子のケリウスさんが対応するようになったってことだね
「あ、ハクラ姫は国交のお話でしたね。父上も鬼ヶ島との国交は願ってもない話だったようで、すぐにでも結びたいとのことです」
「よかった。では後日使者を送りますのでその時に」
「ええ」
無事国交を結ぶ約束もできたし、僕は母さんからの仕事も全う出来た
あとはここの迷宮に入るだけだね
「今日はもう遅いのでいかがでしょう、うちでお食事とお風呂でも。温かい布団もご用意しておりますので」
「それじゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」
ここの食事ってどんなの何だろう? ルニサニアさんはエルフと同じように菜食って言ってたから野菜料理なんだろうけど、エルフ族とは味付けが全く違うらしい
ハクラちゃんはウキウキしてるし、早速ケリウスさんについて家に招いてもらった
「ようこそおいでくださいました王女様、私が国王のケイロンです」
「こちらこそお招きいただきありがとうございます」
国王のケイロンさんは筋肉隆々のたくましい体に立派な白い顎髭を蓄えたかっこいいおじいちゃん
眼光もするどくて、一戦を退いてはいるけど、いまだに国近くに出る魔物を狩りに出るほど元気らしい
魔力の感じからもそのたくましさが伝わってくるよ
「ではすぐにお食事とお風呂のご用意を」
ケイロンさんがメイドの衣装をきた人達に合図すると彼女たちはすぐに用意を始めてくれた
なんと目の前で野菜料理を作ってくれるみたい
ニンジンやダイコンに似た野菜を軽くあぶって焦げ目をつけ、それをコンソメスープのようなスープに投入していく
そのあとは少し煮たナスのような野菜に醤油のようなソースをかけて焼いて、それにわさびらしき薬味を乗せてる
「この料理は焼きナスという料理でして、数年前にこの国に来た異世界の料理人が教えてくださったのです」
「焼きナス。私の国で作ってる焼きナスと似てますけど、わさびはのっけてなかったです。今度ソウカに教えてみます」
またも野菜のフルコースだけど、やっぱりエルフたちの料理とは全然味付けが違ってて、こっちは濃いめだ
エルフの味付けは薄めで、全然違った美味しさがある
ハクラちゃん、またもぱくついてる
ほんとに食べ方だけは上品で、ケリウスさんも見惚れてしまうほど
パンツ履かないくせに・・・
食事も終わってお風呂へ
何と温泉だった
ここの温泉は温泉マニアの間では秘湯って呼ばれてるらしくて、他国の人が入ったことはあまりないみたい
効能は滋養強壮と美肌らしい
そういえばこの国の女性は皆綺麗
馬の下半身の毛並みもつやつやしてる
「ふひぃ~、いいお湯です」
「そうだね~」
僕らは多分とろけた顔で入ってたと思う
よし、今日はしっかり英気を養って明日からの迷宮攻略を頑張ろう
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