学園生活13

 副都に到着した

 冒険者の人達に感謝を告げて私達は馬車を降りた

 この時期は観光客があまりにも多いんだけど、私達は公爵の好意でちょっとしたいい宿がとれてるんだよね

 街の中心辺りにあって、そこから馬車も通ってるから観光名所へも行けるみたい

 ひとまずはごたごたもあったので宿で休むことにした

 宿に入ってまず驚いたのがその豪華さ

「う、ひえええ、私達みたいな平民がこんなところに来てもいいのかしら」

「大丈夫だよお母さん。公爵様が言ってたじゃない。ここは分け隔てない場所だって」

「そういえばそうよね。あ、ペットも大丈夫みたいよ」

「お母さん! ミーニャはペットじゃなくて家族!」

「ご、ごめんなさいねミーニャ、そういうつもりじゃ」

「あたしはペットでいいんだけどにゃぁ」

 受付に行くとどうやら公爵から話は通ってたみたいで、すぐに案内された

 それにしてもロビーから部屋までなんてきれいなんだろう。私がいるからペットも入れる部屋に通されたんだけど、綺麗な水の出るお椀型マジックアイテムに、おいしそうなご飯まで用意されてる

 人間用とペット用とで分けられてたけど、ペット用も人間用と同じようにキレイに盛り付けられ滅茶苦茶に美味しそうではないですか

「こ、これってもう食べていいのかにゃ!?」

「いいと思うよ。私もお腹すいちゃった。ね、お母さん、食べようよ」

「ええ」

 みんなでまずは腹ごしらえと用意されてたご飯を食べる

「んにゃぁ、とろけるようなお味だにゃ」

「ほんとだ、美味しいね」

 味は人間のものと遜色ないと思うけど、どうやらペット用に少し薄味にされてるみたいだ

 それでもしっかりとしたうまみがあるね

 大満足と満腹でしばらく動きたくなくなったので、ゆーーーっくりと休んでからお風呂に入りに行くことにした

 そう! ここお風呂あるのよ!

 ただのお風呂じゃなくて露天風呂がね!

 食休みもできたからすぐに準備してお風呂に向かう

 何人かすでに入ってるみたいね・・・。っておい、ここ混浴じゃないですか

 男たちがお母さんを見ていやらしい目を向けてるので、私はブラックアウトって言う魔法でお母さんたちの姿を隠しておいた

 男たちの目からは黒い靄が歩いてるようにしか見えないだろうね

 残念がる男たちを尻目に私達はゆっくりとお風呂に入れた

 しかもこのお風呂、入った瞬間に体の奥底まで気持ちよくなってくる感じがしてすっごくいい

 幸せをかみしめてゆっくり疲れを癒した

「よかったわねお風呂」

「うん! お母さんとは入れて私嬉しい」

 うんうん、ミナモちゃんは今までお母さんに甘えれなかったからね。たっぷりと甘えたらいいんだ


 お風呂から出るともう辺りは暗くなってきていて、部屋にはベッドの用意ができていた

 なんてベストなタイミングなんだろう

 ベッドはフカフカで、私にまで小さなベッドが用意されていた

 ミナモちゃんとお母さんは一緒に眠って、私は小さなベッドで眠る

 こういう時くらい親子水入らずで寝て欲しいからね

 そう思ってたのに、ミナモちゃんが私を抱え上げて一緒のベッドに寝かせてくれた

「家族で一緒に寝ようよ」

「で、でも今日は親子水入らずで寝て欲しいにゃ」

「あら、あなたも私の娘じゃない」

 その言葉に涙が出て来る

 でもばれないように私は布団に潜り込むとミナモちゃんの腋に顔をうずめた

「ふふ、ミーニャくすぐったいよ」

 私はミナモちゃんに抱きかかえられながらスーッと眠りに落ちた

 そして私は夢を見た

 キラキラとした金色のピラミッドが背景の変な空間に私は一匹で立っていた

「んにゃ、ここは?」

「ホホホ、久しぶりじゃの。猫生は謳歌しておるかの?」

「この声は、バステト様かにゃ?」

「ふむ、覚えておってくれたか。わらわこそが猫神バステトさまである!」

「あっはい知ってます」

「もうちょい反応せい。寂しいじゃろが」

 この女神様は何のために私の夢の中になんて出てきたんだろう

「ふむ、いやなに少し気になっておったのじゃ。元気でやっておるか?」

「それはもう。いい人たちに会えたし、すっごく楽しいにゃ。ただ、魔物はともかく魔人なんて出て来るとは聞いてなかったにゃ」

 あれ?バステト様がぎょっとしてる

「魔人、じゃと? そんな馬鹿な。その世界にはもう魔物しかおらんはずじゃ。百年ほど前にニャフテスと勇者が魔王復活の元となっていたオーブを破壊したんだぞ? なぜ・・・」

 どうやらバステト様も理解できないことが起こっているみたいだ

「ふむ、しかしまあお前なら大丈夫であろう。ニャフテスよりも強く、魔王など足下に及ばぬほどのお前の潜在能力があればな」

「え? それってどういう」

「それではまた会おう」

「ちょ、まだ答えが」


 目が覚めた

 うー気になること言ってくれちゃって

 まあなるようになるさね

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