学園生活3
魔法の授業ってどんなのだろう? ワクワクがとまりませんなぁ
当然その授業もエンディ先生が受け持ってくれてるよ
エンディ先生は大きな胸を揺らしながらスキップで魔法授業用の訓練場へと生徒を引率してる
なんというかその、見た目は17歳くらいなんだけど、本当の年齢が百歳を越えているためもうちょっと落ち着いた方がいいのでは?って思っちゃう
「先生機嫌がいいね」
「うにゅ、なんでだろうにぇ」
「えっと確か先生は今年入ったばかりで、初めて生徒を受け持つからだと思うよ」
そう言ったのは今日友達になったばかりのエヴァンス君だ
「にゃるほどにゃ、そりゃスキップも出るわけだにゃ。あの先生見るからに子供好きだろうしにゃ」
エンディ先生は子供を見るときの目が母親のそれなのだ。愛おしい自分の子供を見ているような目
ミナモちゃんのお母さんと同じだ
でもエルフの百歳くらいって聞くところによると子供がいてもおかしくない歳
エンディ先生ほどの美貌ならきっと引く手数多のはずだろうに
「はい~つきましたよ~。ここが魔法訓練場です~。みんなここでたくさんの魔法を勉強しましょうね~」
まるで幼児に対する言葉みたいだけど、私達は十歳をみんなこえてるんだよね
あ、私はまだ生まれてから数ヵ月だけどね
「それじゃあみんな~、まずは先生がお手本を見せるから~、しっかりと見ててくださいね~」
最初にやることは魔力を感じる訓練で、これをやっておかないと魔法を使うことができないらしい
魔力を感じてその力の流れを意識して、それから周囲にあるエレメントから力を引き出して魔法を使う
エレマントって言うのは火、水、土、風、雷、光、闇なんていうのがあって、そこに魔力を混ぜて魔法を使うみたい
皆真剣に先生のやっているところを見てるね。うんうんそういう姿勢って大事だよ
かくいう私はあくびをしながらその様子を眺めていた
え?真面目にやれって? 私もう魔法使えるんだもの
でも確かにこんな態度はだめだよね。授業は真面目に受ける!
私は顔をペチペチと叩いて眠気を飛ばし、先生の話を聞き逃さまいと真面目に聞き始めた
その後は皆で魔力感知の訓練
皆いち早く魔法を使えるようになろうと必死で練習してる。ミナモちゃんも顔を真っ赤にしてやってるけどちょっと違うんだよね
「んにゃ、ミニャモちゃん、もう少し力を抜くにゃ。それから周囲のエレメントに目を向けてみるにゃ。それができたら内側にょ魔力を取り出すイメージにゃ」
「う、うん!」
偉そうに言ってるけど私が初めて魔法を使った時は自然とそういうことを意識できていた
これも多分バステトさんのお導きと言うかギフトなんだと思う
始めから魔法が使えるのはずるいとは思うけど、こうしてミナモちゃんに教えることができるからいいのだ
「やった! できた、できたよミーニャ」
「あらら~、もうできちゃったんですか!? 早いですねぇミナモちゃん。いい感じです~。いい魔力ですよ~」
おお、どうやらミナモちゃんが一番にできたみたいだね
これは私も誇らしい。ていうかミナモちゃん速すぎない? ちょっとコツを教えただけなんだけど
なんというか天才なのかな? それに人間ではありえないほどの魔力量。お母さんもそうだし・・・
私は今まで失礼だと思ってやってなかった“鑑定”と言うスキルを使ってみることにした
これはこの世界に来た時から持ってたスキルなんだけど、今まではアイテムとか魔物とかにしか使ってなかった。人間にも当然使える
当然プライバシーを覗くわけだから失礼だよね?
「ねえミニャモちゃん、ちょっとミニャモちゃんのステータスを見てもいいかにゃ?」
「ステータス?ってなに?」
「その人の情報みたいにゃものだにゃ」
「そんなのいいに決まってるじゃない。ミーニャに秘密にすることなんてなにもないもん」
「にゃ! ありがとにゃ!」
お言葉に甘えてミナモちゃんのステータスを見てみた
体力は普通くらいかな? 魔力量は、やっぱり驚くほど高い
普通の人間のおよそ二十倍はあるんじゃないかな? 同じくらいの歳のエルフと同じかそれ以上かも
えーっと、スキルは、ないねまだ。魔法は、まだ魔力感知だけ。これはこの先習えば増えるはず
めぼしいところは魔力量だけ・・・。あれ? 種族がおかしい!
え、人間じゃない!?
驚くべきことにミナモちゃんの種族はハイヒューマンという種族だった
ステータスの説明によると人間がさらに進化した種族らしいけど、その個体数は極めて少ない
人間が突然変異的に進化することがあると書いてあった。ってことはミナモちゃんとお母さんは進化した、人間!?
これは知られれば大変なことになるかもしれない。何とかして隠さないと!
そう思ったらまたスキルが浮かんできた
“偽装”と言うスキル。これは姿を変えれる他にステータスを偽装することができるみたい
それを使って私は魔力量を普通の人間の二倍ほどに設定して、種族を人間と書き換えておいた
「どう?ミーニャ」
「う、うにゅ、素晴らしいステータスだったにゃ。ミニャモちゃんは優秀だにゃ!」
「ほんと! やった」
嬉しそうに微笑むミナモちゃん。もしかしたらお母さんなら何か知ってるかも
退院したらそれとなく聞いてみよう
魔力感知がみんな出来るようになってその日の授業が終わった
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