第258話 白桃女子のくせ者リードオフマン④
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「凄美恋、まだ初回だし落ち着いていこ!」
華菜がマウンドの凄美恋に向かって声をかけたけど、あっという間に先制されてしまった凄美恋は落ち着く気配がない。
開始3分で点を取られただけでも凄美恋のメンタル面が心配になるのに、よりによって外野に打球を飛ばさせず、懸念されていたフォアボールも出していないのに、気づいたら点を取られてしまっていたのだから。
華菜の視線の先の凄美恋はまた夏の大会みたいに怯えに近い表情になっている。おまけに桜子までホームで上手くタッチをかいくぐられたせいでショックを受けているみたいだし、伊集院乃愛に翻弄されたことで桜風学園バッテリーは相当ダメージを受けているみたいだった。
そんな状況でピッチングを続ける凄美恋は、周りを見る余裕がまったくないようで、夏の大会を思い出させる投球をしてしまう。続く4番の野崎綾女と5番の久谷静には一球もストライクゾーンに投げ込むことができずに連続してフォアボールを出してしまう。
2アウト1,2塁と再びピンチになったところで監督の富瀬がタイムを要求した。桜風学園は9人しか部員がいないため伝令は送れないので、桜風学園の使っている三塁側ベンチに近い華菜が、いつものように小走りで富瀬の元に向かっていった。
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