第212話 食事もトレーニング!②
「あの、小峰さん。ちょっと付き合って頂きたいのですが」
華菜がなんとか食事を終えると、桜子に声をかけられた。食後は一応自由時間にはなっているが、初日のトランプタワー勝負のとき以外は、みんな基本的には素振りとか走り込みとか、練習の時間に使っていて、華菜もこれから素振りでもしようかと思っていたところだった。
「大丈夫ですけど、どうしたんですか?」
「少しボールを投げて欲しいのです。少しでも捕球の技術を上げたいので」
「別にいいですけど、キャッチングの練習をするんでしたら、わたしよりも由里香さんが投げたほうがいいんじゃないですか?」
そういうと、桜子がムッとした表情になる。
「由里香の大事な肩をこんなところで使ってどうするんですか! 肩は消耗品ですよ!」
「そうですね。まあ、わたしの肩は由里香さんと違って消耗品ではないですし何百球でも投げますよ」
「当たり前じゃないですか。馬鹿なこと言ってないで早く行きますよ。時間がもったいないですからね」
華菜は少し嫌味も込めて言ったのだが、桜子に軽くあしらわれた。
自身への扱いが雑な気がしてならないが、文句も言いづらいので、黙って近くの広場へと着いて行くことにした。
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