第17話 反省
カイが後ろを振り返るとそこには....
クリスが立っていた。クリスがあのロープのようなものを出していたのだ。
「ふう、なんとか間に合ったな」
「こ、これは?」
「これは俺のスキルで "マジックストリング" って言うんだ。俺に全く似合わねえスキルだがけっこう気にいってんだ。お前を助けに行く時も道中のザコにこれを使ったんだが、俺は魔力が多くないからつく頃には使えなくなっちまったんだ。あの時は速くつくことを優先したんだ」
「そうだったのか」
「レオのユニークスキルを初めて見た時は魔力を残しておくべきだったと後悔したが同時に俺が抑えてやんねぇといけないとも思ったんだ。これには捕まえた相手の魔力を少し抑える効果もある」
レオの方を見ると少しずつ腕は元の大きさに戻り、レオも意識を失って倒れ込んでしまった。
「なんとかなったな。レオを休ませてやろう。それとお前の傷の処置もしねぇとな」
クリスはレオを木陰で寝かせた後カイの傷の処置にあたった。
「いってぇ」
「我慢しろ」
クリスは傷を消毒した後、薬草の汁をつけた包帯をカイの肩に巻いてやった。
「よし! 今夜は熱でうなされるかもしれないが、明日には痛みも引けているだろう。回復魔法が使えればよかったんだが生憎魔法には疎くてな」
「熱が出んのか」
「まあ、自業自得だな。何が悪かったかちゃんと反省しとけ。あと、ちゃんと食えよ?」
そういってクリスは食料をカイに渡してレオの様子を見に行った。
カイは自分が戦闘中頭に血が昇って相手しか見えていなかったことを理解していた。だから石につまづいて隙を晒してしまったし、一緒に戦っていたレオのことも見ていなかった。
「レオはちゃんと見てくれてたのにな」
そう呟くと僕がどうしたって?レオが起きてこちらの方に歩いてきていた。
「レオ! 大丈夫か?」
「うん、平気。ごめんね暴走しちゃったみたいで」
「いや、俺のせいだ」
「まあ、どっちも良くなかったな」
クリスが入ってきた。
「自分たちでわかってるみたいだから次に活かせよ?」
そういってクリスは薪を集めに行ってしまった。
「冷静に周りを見なきゃだな」
「お互いね」
課題は他にもあるがこの時の2人はそれ以上は会話はなかった。
その様子を遠くの木の上から見ている奴らがいた。
「今ならやれるかもな」
あの盗賊たちだ....
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます