第3話 出会い

 君が目覚めると目の前には....


 オークのものであろう腕が転がっていた。オークはいない。足跡が森の奥へと続いている。


 いったい何がどうなっているんだ。そうだ、父さんと母さんは?


 あたりを見回すと家の前に2人が横たわっていた。


「父さん! 母さん!」


 すぐに駆け寄る。わかっている。あんなに痛めつけられてずっとここに放置されていたのだ。2人は....



 息絶えていた



 涙が溢れてくる。どうしてこんなことに。何もやる気にはなれない。全身の力が抜けて、本当に今まで自分が動かしていたかも怪しいくらい体をコントロールできない。


 レオは泣き続けた。


 思い出が蘇る。


 つまらないギャグいう父を冷ややかな目で見る母。寒い日の朝には母の編んでくれたセーターを着て、父と暖炉の前で母の温かいスープを待つ。そんな些細な日常を奪われたのだ。


 あのオークが憎い。そのオークに指図した魔王が憎い。なぜ僕たちだったのか。何をしたというのだ。理不尽でならない。


 ガサっ


 物音がした。


「誰かいるのか?」


 物音のした方を見ると....


 獣人の男の子が立っていた。歳は同じくらいだろうか。紺色の美しい毛並みをしている。おそらく狼の獣人だとおもう。


 よく見るとなぜか震えている。


「お、おまえ....」


 その子が恐る恐る話しかけてくる。


「怪物か何かなのか?」


「なんのこと?」


「とぼけるなよ!お前の左腕がちょうどその....

そこに落ちてるオークの腕みたいになって、あいつの左肩を貫いて腕を飛ばしたんだ」


 そんなことをした覚えはない。僕は気を失っていた。しかし、彼が嘘をついているようにも見えない。


「ごめん、何も覚えてないんだ。君は全部見ていたの?」


「俺は、あのオークに復讐したかったんだ。だから後をつけてきた」


「何があったんだい?」


彼はレオの両親が横たわっている方を見て


「俺もお前と同じなんだ」


と自分の事を語り始めた....

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