私とイズミのかくれんぼ
今、私とイズミは屋根の上に居る。
「(イズミ、あの男が近くに居るから静かにね?)」
「(みぃ!)」
何故、私達が屋根の上に居るのかというと今から数分前にあの男がこの町に来たのが分かったからだ。
数分前
「イズミ、新しい町に着いたよ。前の町みたいに悪性がないから綺麗な空気だね」
「みぃ」
「あの町に長くいたら私が倒れてたかもしれないからね」
「みぃ?」
「神聖者は悪性を浄化したり祓ったり出来るけど、悪性の力と反発するから体が耐えられないで高い熱が出たり、気絶して何日も寝込む事もあるから気をつけないといけないんだ」
「みぃ」
「うん。だから気をつけてるっ!、、、悪性が近づいて来てる?」
悪性の気配を感じて町の外を見てみるとあの悪性をまとった男が町に入って来るのが見えた。
「あの男、私達を探してるのかな?見つかると危ないから隠れてないと。あの男、悪性が重くて上をあんまり見ないみたいだから屋根の上に隠れよう?」
「みぃ!」
屋根の上
男は町の中で多分、私を探している。
けど、やはり悪性が重くて上を見たり探したりしていないみたいだった。
ちなみに、悪性が重いというのは体がダルいとかと同じ意味合いだ。
「何処に行った?あの吟遊詩人!」
「、、、、。」
やはり、私を探しているみたいだ。
(あの男が遠くに行ったらこの町を出よう。お姉さんから教えてもらったルートによると次の町に行くには、、、結構、長く森を歩かないと行けない所にあるのか)
「ちっ、ここには居ないみたいだな!向こうの方か?」
男は私達が居る所を離れて行った。
「イズミ、直ぐに町を出よう。森の中の方が見つからないだろうから」
「みぃ!」
私達はあの男が近くに居ないか確認をして町を出て森の中に入る。
「あの男は町の人にも聞いてるみたいだから、私達が町を出たのにも直ぐに気づくだろうね。けど、森の中ならモンスター達もいっぱい居て見つかり難いだろうから、町に居るよりは少しは安全だよ」
「みぃ!みぃ!」
「もう直ぐ夜だね。夜の森の中を歩くのは危険だから何処かで休もう?」
「みゅぅ、み~」
「イズミ、お腹空いたの?ちょっと待っててね。えっと、あ、合った!」
「みぃ!」
「ローズくん用のドーナツとクッキーを持ってたから食べ物はしばらくは大丈夫だね」
私はイズミとドーナツを半分にして食べた。
(ローズくんにあげる用に用意したお菓子が役にたったな。、、、ローズくんお腹減らしてないかな?心配だな~)
「スン、スン。ウワン!」
“カサカサ、カサカサ”
「ヴ~、、、」
何かの唸り声が聞こえたので振り向くと私の倍ぐらい大きな黒い狼が一匹、私達に向かって走って来たのが見えた。
コン視点
レイガ様がいきなり振り向いたので驚いた。
「レイガ様?どうかしました?」
「、、、いや、、、何でもない、気のせいだ」
「そうですか?早く手がかりを見つけて、セイカちゃんを迎えに行きましょうよ?」
「ああ、そうだな」
レイガ様は少し落ち着いて来たみたいだ。
(神様お願いです。セイカちゃんを無事に何事も無くこの学園に帰して欲しいです)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます