乙女系ギャルゲーＲＰＧの世界に生まれた私はモブの中のモブ？

ただ一つの気持ち (レイガ)

オレは、天使に出会った。

「～♪～♪～」

最初はあまりにも綺麗で魅力的な歌声に引かれ泉に向かった。

歌声の持ち主は時折笛を吹いていた。

その笛の音色もかなり俺にとっては心地の良い音色だった。

歌声が止んだので俺はその歌声の持ち主に近づいた。

一人の女が泉の近くの木に腰を掛けて居たので、俺はさっきの歌声の持ち主がお前なのかを聞いたら彼女は俺を知っていた。

彼女は俺の事を『レイガくん』と呼んだ。

その呼び方も声も俺には心地良かった。

俺は彼女の名前を聞いた。

彼女は吟遊学科のセイカだと言った。

吟遊学科の生徒はあまり人気がなくパーティーメンバーに誘われる事もあまりないので、俺はセイカを次の授業のモンスター討伐でパーティーを組まないかと誘ったらセイカは了承をしてくれた。

セイカの姿をちゃんと見る為に近づいた。(逆光でよく見えていなかった)

俺の母親は美の女神と呼ばれるくらい美人で、息子の俺から見ても母親より綺麗な人を見た事がなかった。

だが、セイカの姿をちゃんと見た俺はセイカが誰よりも美しく、そこに天使がいるかの様に見えた。

セイカは、一度も焼けた事がない様な白い肌をしていて、黒い髪が艶やかに腰まで伸びていて、髪の色と同じ瞳は大きく少し垂れ目がちだった。

セイカは全体的に優しげで暖かいイメージがあるが、話してみると淡々としていて冷静だ。

だが、ふとした瞬間に嬉しそうに笑う姿を見て誰にも見せたくなくなった。

どうやら俺はセイカに恋心を抱いてしまったようだ。

いや、あの歌声を聞いた瞬間に俺は落ちたのだろう。

今日は高校入学の日だ。

入学式を終えた俺は泉へと急いでいた。

学園に来たセイカはいつもあの泉で歌を唄っているので、今日もそうだろうと思い俺は急いでいたのだが途中で少し邪魔が入った。

セイカは人前で唄うのが恥ずかしいのか絶対に歌わなく横笛を武器にしている。

なので、遅れると歌を聞けなくなってしまうのだ。

「～♪～♪～♪～」

「～♪～♪～♪～♪～」

どうにか間に合ったのでセイカに見つからない様に歌を聞いた。

歌が終わったので姿を現すとセイカは俺が急いでいたのを見ていたみたいで、間に合ったのかと聞いてきたので俺は正直に間に合ったと答えた。

俺はセイカを入学してすぐの授業の洞窟探索のパーティーに誘った。

セイカは了承してくれたが俺一人でも余裕だろうと言った。

俺はセイカに確かに一人でも大丈夫だがセイカの音色は心地良い。

それに俺はセイカ以外とパーティーを組む気はないと答えた。

セイカは嬉しそうに俺に向かって笑った。

セイカは自分はもう帰るが俺はどうするのかを聞いてきた。

俺はセイカが嬉しそうに俺に向かって笑った顔を見て顔が火照っているので、もう少しここにいると伝えた。

俺は、天使に出会った。

天使はセイカという名前で俺の片恋の相手だ。

セイカの歌声に恋をして、セイカの嬉しそうに笑う顔を愛した。

俺は、セイカを俺だけの天使にしたい。

どうすれば、セイカに俺の愛が届くのだろうか？

どうすれば、セイカが俺を愛してくれる様になるのだろうか？

分からない事ばかりだ。

だがこれだけは分かる。

俺は、セイカを愛している。