WEEK!

早坂楼

第一話 災難な朝

『そして、今日最も悪い運勢は.....』

『ごめんなさ~い、やぎ座のあなた。』 

『やること全てが上手くいかず、二度手間になってしまうかも.....ラッキーアイテムは満月です。』

『今日も張り切っていきましょう!』


──ピッ──

リモコンの電源ボタンを押し、テレビ画面を消した後、カレンダーを確認する。

よしっ、今日は満月だから夜のソシャゲガチャイベまでには間に合うな。

いい年になってこんな占いを信じている自分に、ため息を隠さざる負えない。

そう俺はもう大学生、大人だ。

昔みたいにバカみたいな心理テストで盛り上がったりすることもなくなったし、今は、バイトと勉強の両立で手一杯。

昨日もバイトで疲れているはずなのだが、何故か今日は早起きしてしまった。

これも、不幸の予兆なのかもしれない。

いやいや、そういうネガティブな発想はするなって親父が言ってたな。

そうだ、気楽に行こう。自分がポジティブだったら周りもいいようになるはずだ。

よぉぉし!まずは大学の準備でもしとくか。


俺は大学で出された課題レポートを再確認することにした。

レポートを取り出し、最初に見えたのは茶色い大きなシミだった。

あ、、、ああ、、、、あああああああああぁぁぁぁぁぁ!!

うっそだろぉ!?

シミは紙全体に広がっており、提出することはできないのは確定だった。

一応、レポートのデータはPC内にある為、印刷さえすれば大丈夫なのだが、あまりの急展開だったのでショックで俺は脳内が真っ白になっていた。

若干にあいた間の後、俺はすぐさまコンビニに行く準備を始めた。

自宅には印刷機がない為、近場のコンビニで印刷するしかないからだ。

俺は玄関に到着し、勢いよく外へと飛び出した。


コンビニ向かう途中、いくつもの障害が俺に襲い掛かってきた。

ポイ捨てされた空き缶に滑りそうになったり、いきなり猫が三匹俺の前を通過したりと、とにかく散々な目に遭ったが、なんとか自宅に到着することができた、、、

ん?あれ?

障害物を避けることに必死だったのか俺の目的地はコンビニから自宅へと変更されていたようだ。

”ようだ”じゃねえよ!!なに帰ってきてんだよ!バカなのか?俺はバカなのか??

気持ちを一度落ち着かせ、俺はまた足をコンビニへの方へ向かせた。

二週目は難なくコンビニに到着することができ、そのまま印刷も終わらせ、無事帰宅。

玄関に足を踏み入れ、ふと俺は今日の占いを思い出した。

『やること全てが上手くいかず、二度手間になってしまうかも...』

、、、、、、まさかな。

少しの間俯き、考えてはみたが、やはり単なる思い過ごしだろうと俺は結論付けることにした。

っと、そういえば今日、早めに大学行って研究結果とかまとめる作業する予定だったわ。

急ぎ足でフローリングの上を滑り、俺はマンションの扉を開けたのだった。



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