同じ釜の飯を食えば、自ずと仲良くなります


「やれやれ……やっとお開きです……」

 皆さんもぐったりしています。


「それにしても雪乃様、タフなのですね」

「もう、必死でしたよ」


「後片付けはどうしましょうか?」

「お母様が女官さんを派遣して下さるとか……」


「なにか、ほっとしたら、お腹が減りましたね」

「そうですね……お昼におにぎり一個とソーセージだけでしたからね」


「あれだけ用意してあった食材、ほとんど残っていないのですね」

「皆さん、とにかく夕食にしましょうよ、もうくたくたなので鍋焼きうどんにしない?」

「そうですね、夜になって寒くなってきましたから、でもダイアナ様は大丈夫?」

 文子様が気を遣っています。


「私はこのまま雪乃様の家にご厄介になります、そんなに気を遣わなくても……」


「カレーうどんなら、口に合うかと思います、それに色々種類を出しますから、皆さんはお好きなモノを選んで下さい」


 夏に鍋焼き?これが売っているのですね。


 ●●食品の鍋焼きシリーズ

 すき焼きうどん、えび天うどん、きつねうどん、カレーうどん、味噌煮込みうどん、鍋焼きちゃんぽん……

 面倒なのでケース買い、どれも18個入っています。


 コンロは三つ、ホットプレートもガスコンロになりますからね……

 取りあえず、三ついっぺんに作り、最後は私のをつくりましょう。


 皆さん、お好きなモノを選ばれて、私が作っています。

 取りあえず、卵やネギ、蒲鉾なんて足しておきます。


「出来ましたよ♪皆さん、お鍋が厚いので気をつけてね」

 続いて自分のモノを作ります。


 忙しい日でしたが、最後は皆でゆっくりおうどんなど……心も温まりますね。


「なんかホッとしますね」

 ダイアナ様の感想です。


 洋子様が、

「キャンプが終わり、あわてて来ればこの騒動、私、まだ荷物もそのままだったわ」


 文子様が、

「手伝いますよ」


 ダイアナ様も

「洋子様、今日、初めて会った方とは思えないわ、戦友みたいな気がする」


「そうですね、同じ釜の飯を食った仲間というところですか?」

 私も同意しますね。

 

 四人で鍋焼きなんて食べ終わった頃、女官さん達が来て下さいました。


「雪乃様、私たちが片付けますので、どうぞ、ごゆっくりして下さい」


「みなさん、ご飯は食べたの?」

「まだですが?」


「これ、使い捨ての鍋付おうどんですが、余ってしまったのです、お片付けしたら、お土産代わりに持って帰って下さいませんか?」

「よろしいのですか?」

「あまり、美味しいとは云えませんが、お手軽ですから、お夜食代わりにお食べ下さい、今夜は冷えそうですから」


 まぁね、突然の夜勤、ささやかでも感謝の気持ちなのです。


「ありがとうございます」

 女官さんたちも、なんとなく嬉しそうですね。

 つまらないモノですが、気持ちは伝わったようです。


「さて皆さん、臭いが髪などに付いていますから、この後、温泉に入りましょうね」

 私たちは女官さんたちにお片付けをお願いして、お風呂としたのです。

 

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