激動の一ヶ月でした。


 この頃、堂々とイチャイチャしている久光お兄様と慶子様、そしてハル様のお三人。

 迷惑ですね……


 近頃思うのですが、私が居ては迷惑の様な気がしてきました。

 私は久光お兄様も慶子様もハル様も大好きですが、やはり『小姑』ですからね……

 とても、良くしてくれますし、可愛がって頂いていますが……ラブラブの前には、遠慮してしまうのです。


 これはさっさと、帝国第一高等女学校の寮に入らなくては……

 なんでも急に今年から寮が出来たそうで、奨学生試験合格者は絶対入寮のこと、と、通達があったのです。


 慶子様と久光お兄様は激怒して、こんな女学校は辞退して、今からでもいいから『華族高等女学校』に通えと云われたのですが……

 もう皇太后様と皇后様にご報告した以上、替えられません、と言ったら不承不承承知して下さりました。


 だってね、お二人からお祝いの品など頂いておりますから……


 皇后様からは、帝室の紋章入りの文具……万年筆なのですね、しかも金ペンですからね……

 皇太后様からは、帝室の紋章入りのボンボニエール……私がお菓子好きなので、下されたのでしょうね……

 私、このボンボニエールにこっそりアメとかボンボンとかを入れています。


 更に言えば皇帝陛下から『恩賜の時計』も頂きました。

 これ、裏に『御賜』とかかれており、純銀製です。

 でも、本来は帝国大学とか士官学校とかの、優秀な卒業生が対象なのですけど……

 どうして皇帝陛下が下されたのか意味がわかりません……

  

 三月中旬に尋常小学校の卒業式が終わるとともに、馬車に乗り、そのまま朝比奈邸にやって来ました。

 今は三月末、四月七日に帝国第一高等女学校の入学式、その二日前に入寮となっています。

 女学校の寮は『撫子寮』というらしく、奨学生試験合格者は絶対にはいる、それ以外は希望する方で、定員オーバーの場合、成績順でその定員は10名だそうです。


 奨学生試験を合格すると、学費、生活費は宮殿の内廷費より支払われるそうで、学費の返金は免除、生活費は卒業後、宮殿の意向を尊重して就職すれば、免除だそうです。 

 

 なにか嫌な予感がしますね……

 これでは奨学生試験に合格すると、宮殿に取り込まれるような……


 まぁいいですよね♪

 これでイチャイチャを見ずに済むのですから……

 でも、慶子様とお兄様の華燭の典が終われば、慶子様は処女をちらして、翌日から3P……


 あっ、想像してしまいました……

 神様はこの私の妄想を、皆様で閲覧しているの?


 ……私、色魔なのかしら……あの綺麗な慶子様が……嫌だわ、妄想が止まらない……

 あっっっっ、私もいつか殿方に……この身を捧げるのよね……

 そして……殿方の妾と……百合?


 百合ってどうするのかしら?

 いけない、『解析』が起動した、えっ、そんなことをするの?


 身体がなにか火照ってきたけど、これって……

 あっ、また『解析』が……えっ、一人エッチの仕方?


 いけない!映像が見えた瞬間に……あっ、手が……


 私は声を押し殺して、汗まみれの夜を過ごすことになりました。

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