聖女であることがバレました
「その文がこれです」
「私たちはこれの内容が分かっていますが、聖女である雪乃さんなら読めるはずです、云っておきますが内容はハッキリと貴女のことが書かれていますので、いまさら誤魔化しても無駄ですよ」
まったく……神様は……
「拝見します」
「出来たら声に出して、読んで見てくれますか」
文を見た瞬間に、頭の中で『解析』が起動しました。
文字は豊国文字の古体象字といわれる物で、日本語の象形文字と呼ぶべき物です。
で、私は文なる物を読み上げたのです。
「ミズホの国に聖女を贈る、心して受領せよ、歳は十二、髪は白金のごとし、名は朝比奈雪乃、異界の技術の知識を持ち、真贋を見抜く、この文を聖女に渡すべし、聖女は心して受け取り、ミズホの国に恩恵を与えよ」
……
私はため息がでました、なんと言えばいいのか……
……
「神様はなにを考えておられるのか……『ミズホの国に恩恵を与えよ』といわれるが、どうすればいいのか……そもそも『のんびりと過ごせ』と言われておられたが……私のような小娘に何を望まれるのか……」
「取りあえず神様がおっしゃったのですから、人のためになるものですよね……」
皇后様がおっしゃってくださりました、が……
なにか、期待されているような顔つきです。
「一つ出来るか出来ないかは分かりませんが、薬の調合法があります、この方法なら可能でしょう」
いわゆるペニシリンですね、ネットを検索すると青カビからペニシリンを作る製造方法がありましたからね。
皇后様から、紙と筆を借りて書き写しました。
ついでですから、ジェネリックの通販サイトに、●ェノキシ●チルペニシリンが、4箱200錠で3,865円、1粒20円以下でありましたので、当然1,500円以下となりますので取り寄せました。
親友が交渉していたのでしょうね、一粒単位で取り寄せられますので、とても便利です。
「こちらは●ェノキシ●チルペニシリンという物で、製品になったものです」
使い方と効能も書いておきます。
「私のことは内緒でお願いしますね、そもそもこの知識などは、神様の加護ですので、私の力ではないのです、私は単なる依り代、『のんびりと過ごせ』と言われておりますので、これ以上はご勘弁ください」
「私……本当に一般の知識、常識はないのです……その……孤児院で育ちましたので……生理の対処方法さえ……どうすればいいのか……困っているわけですから……」
「分かりました、しかし、この薬と製造方法は担当部署に渡してもいいですね」
「神様が望まれておられるようですから……」
「悪かったわね、もう難しい話しは無しにしましょう」
正直、もう半泣きの私でしたので、皇太后様がお言葉をくださったのです。
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